サントリー「金麦」がビールに格上げへ 個人消費の二極化で「K字形経済」が進行か
金麦がビールに格上げ 個人消費二極化でK字形経済進行か (16.02.2026)

サントリー「金麦」がビールに格上げへ 消費動向の変化が背景に

サントリーの主力商品である「金麦」が、2025年9月29日を目処にビールに格上げされる見通しとなった。この動きは、株高と物価高の影響で個人消費が二極化する中、消費者の選択肢の変化を反映している。日本経済において「K字形経済」の進行が懸念される状況下での発表であり、市場関係者の注目を集めている。

内閣府発表のGDP統計 2四半期ぶりのプラス成長も個人消費は弱含み

内閣府が2月16日に発表した2025年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整値)によると、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.1%増加し、2四半期ぶりにプラス成長を回復した。この状態が1年間続くと仮定した年率換算では0.2%の増加となっている。

しかし、GDPの5割強を占める個人消費の勢いは弱く、前期比でわずか0.1%の増加に留まっている。携帯電話やエアコンなどの家電製品が消費を押し上げる一方で、自動車やパソコン、値上がりが続く食料品はマイナス傾向を示した。個人消費の前期比プラスは7四半期連続となっているものの、その伸びは緩やかである。

住宅投資と設備投資の動向 回復の兆し見えるも課題山積

住宅投資については4.8%の増加を記録した。2025年4月の省エネ基準を巡る法改正前に駆け込み需要が発生し、7~9月期はその反動で8.4%のマイナスとなっていたが、そこから持ち直しの動きが見られる。ただし、建築資材の値上がりや用地取得の困難さなどの影響で、水準は依然として低い状態が続いている。

設備投資は0.2%増加し、2四半期ぶりのプラスに転じた。輸出については、トランプ関税の影響で落ち込んでいたものの、回復のペースは鈍いままだ。インバウンド需要も低調な状況が続いており、経済全体の回復力に課題を残している。

「K字形経済」の進行懸念 富裕層と一般層の消費格差拡大

経済専門家の間では、株高による資産効果で富裕層の消費が増える一方、物価高で一般層の消費が抑制される「K字形経済」の進行が懸念されている。サントリー「金麦」のビール格上げは、こうした消費動向の二極化を象徴する動きと言えるだろう。

実際、2025年の実質賃金は1.3%減少し、4年連続のマイナスを記録している。物価上昇が家計を圧迫する中、消費者はより慎重な購買行動を取っており、商品の価値と価格のバランスを厳しく見極める傾向が強まっている。

このような経済環境下で、企業は消費者のニーズの変化に対応した商品戦略を迫られている。サントリーの「金麦」格上げ決定は、消費者の嗜好の変化と市場の細分化に対応するための重要な施策として位置付けられるだろう。