アニメと現実が交錯する氷上の奇跡
熱戦が繰り広げられるミラノ・コルティナ冬季オリンピックの最中、テレビアニメ「メダリスト」が放送されている。この作品はフィギュアスケートに情熱を燃やす小学生・結束いのりと、彼女を指導するコーチ・明浦路司の成長と挑戦を描いた物語だ。現在は第2期が放送されており、オリンピックの熱気と連動するように、多くの視聴者がアニメの世界と現実の競技を重ね合わせて楽しんでいる。
主人公のジャンプが金メダリストの演技と一致
2月15日未明に放送された第17話(第2期第4話)では、主人公・いのりが中部ブロック大会でノーミスの演技を披露し、見事に優勝するシーンが描かれた。特に注目を集めたのは、彼女が成功させた「ダブルアクセル+シングルオイラー+トリプルサルコウ」というコンビネーションジャンプだ。この技がSNS上で大きな話題となった理由は、現実のオリンピック競技と驚くほど一致していたからである。
2月13日に行われたフィギュアスケート男子フリーでは、カザフスタンのミハイル・シャイドロフ選手が「トリプルアクセル+シングルオイラー+4回転サルコウ」というコンビネーションを冒頭で成功させ、SP5位から逆転優勝を果たした。この演技は母国に初めての金メダルをもたらす歴史的な瞬間となった。SNSでは、いのりのジャンプにシャイドロフ選手の姿を重ねる投稿が相次ぎ、「オイラーを挟むコンビネーション、まさにオリンピックで見た技だ」「いのりちゃんの演技に感動した。現実のジャンプとリンクしていて鳥肌が立った」といった声が溢れた。
アニメがオリンピック観戦の参考に
「メダリスト」では、フィギュアスケートの採点方法や技術的な詳細が丁寧に描かれており、この回でもコンビネーションジャンプの仕組みについて解説がなされた。作中では「コンビネーションジャンプは通常、右足を使うジャンプしか構成できないが、オイラーというジャンプを挟むことで、左足を使うサルコウの制限を解放できる」と説明されている。視聴者からは「オリンピックの金メダリストがまさにこのオイラーからの4回転をやっていた」「原作のこの回でシングルオイラーの意味を初めて理解できた」といった感想が寄せられ、アニメがオリンピック観戦の理解を深める一助となっている様子がうかがえる。
アニメの背景と日本の活躍
「メダリスト」はつるまいかだ氏による漫画が原作で、アニメ第1期は2025年1月に放送された。第1期の主題歌「BOW AND ARROW」を米津玄師氏が手掛け、そのミュージックビデオにフィギュアスケーターの羽生結弦氏が出演したことは、アニメファンとフィギュアスケートファンの間で大きな話題を呼んだ。現在のミラノオリンピックでは、日本勢も健闘を続けており、団体で銀メダルを獲得したのに続き、男子では鍵山優真選手が銀、佐藤駿選手が銅メダルを手にしている。女子では坂本花織選手らが出場し、ショートプログラムが2月17日(日本時間18日)、フリーが2月19日(日本時間20日)に実施される予定だ。
アニメ「メダリスト」とともに、フィギュアスケートの熱い戦いをより深く味わうことで、視聴者は氷上のドラマに一層没入できるだろう。現実とフィクションが交差するこの瞬間は、スポーツとエンターテインメントの融合が生み出した、稀有な体験と言える。