沖縄戦遺骨収集ボランティアの国吉勇さん死去、60年にわたる活動に幕
沖縄戦遺骨収集の国吉勇さん死去、60年の活動に幕

沖縄戦遺骨収集の国吉勇さんが86歳で死去、60年の活動に終止符

沖縄戦戦没者の遺骨収集活動に長年取り組んだボランティア、国吉勇(くによし・いさむ)さんが3日、死去した。86歳であった。葬儀は7日に那覇市内で営まれ、喪主は次男の次雄さんが務めた。

戦争で家族を失い、高校生から活動を開始

国吉さんは那覇市生まれ。6歳の時に太平洋戦争末期の沖縄戦で母や兄らを亡くした。この悲劇的な経験が、その後の人生を大きく方向付けることとなった。

高校生の頃から、県内各地に残る犠牲者の遺骨や遺品を収集するボランティア活動を開始。約60年間にわたり、休むことなくこの活動を継続した。

私設資料館で展示・保管、遺族への返還にも尽力

収集した物品は、私設の「戦争資料館」で展示・保管。単なる収集に留まらず、遺族らへの返還活動にも積極的に取り組んだ。

国吉さんは10年ほど前に活動から退いていたが、その功績は沖縄の戦後史に深く刻まれている。

戦後80年を迎える中での訃報

第二次世界大戦終結から80年を迎える今年、国吉さんの死去は戦争の記憶を後世に伝えることの重要性を改めて想起させる。

沖縄戦では民間人を中心に多くの犠牲者が出ており、国吉さんの活動はそうした無念の死を悼み、遺族の心の支えとなることを目指していた。

事務所の一角には沖縄戦の遺品が並べられ、訪れる人々に戦争の現実を静かに語りかけていたという。