柳川藩主・立花宗茂の子孫が貴重な史料4800点を柳川市に寄贈、江戸時代研究の空白を埋める
福岡県柳川市において、柳川藩の初代藩主・立花宗茂の子孫が、藩主と家臣らが交わした書状や武具、絵巻など約4800点と、宗茂が使用したかぶとの複製を寄贈しました。この寄贈は、収集家であった夫の遺志を継いだもので、史料は柳川古文書館で保管され、江戸時代中期の研究に大きく貢献すると期待されています。
収集家の夫が遺した「あるべき場所に」という願い
寄贈者は、福岡県糸島市在住の原田万紗子さん(82歳)です。史料は、東京で菓子メーカーを経営していた原田良康さん(昨年12月に89歳で死去)が収集したもので、古美術や刀剣の愛好家として知られていました。良康さんは、妻の万紗子さんが立花家の出身であることから、柳川藩に関する史料収集に力を入れ、家臣の子孫らから提供された書状なども含まれています。生前、良康さんは「こうした史料は、あるべき場所に置くべきで、柳川市に寄贈して役立ててほしい」と語っており、今回の寄贈はその思いを実現した形となりました。
史料の内容と研究への影響
柳川古文書館の白石直樹学芸員によると、寄贈された史料の中には、藩で中老などを務めた立花平左衛門家の古文書が含まれており、5代藩主・貞俶から送られた書状が多数あります。例えば、元文4年(1739年)の書状には、藩主が「黄色い、○のような物を(江戸に)送るように」と指示し、小判の絵を描いて柳川への送金を求める内容が記されています。白石さんは「この書状からは、家臣と藩主という立場を超えた親密な関係性がうかがえる」と指摘しています。
さらに、江戸時代後期のものとみられる「花火色絵巻」(長さ約6.4メートル、幅0.28メートル)も寄贈されました。この絵巻には、砲術演習の模様が色鮮やかに描かれており、花火を打ち上げる場面や兵士らが矢部川に入って訓練する様子など、演習の流れが順番に記録されています。これにより、当時の軍事技術や文化を詳細に理解する手がかりが得られます。
柳川古文書館の感謝と今後の展望
柳川古文書館は、これまで江戸時代中期の史料が不足していたため、研究が進んでいない部分が多かったと説明しています。しかし、今回の寄贈により、その大半の空白を埋めることができると感謝の意を表しています。史料は今後、学術研究や教育活動に活用され、柳川藩の歴史や文化をより深く解明する一助となるでしょう。この寄贈は、地域の文化財保護と歴史継承に大きな一歩をもたらしました。



