日本銀行下関支店は5月の山口県金融経済情勢を発表した。総括判断は「県内景気は緩やかに回復している」と、2024年1月の判断を28か月連続で据え置いた。原油の輸入減少に伴う企業の減産など中東情勢悪化の影響は限定的だが、原材料調達の先行きを不安視する声は依然として多いという。
生産の現状
生産は4月の判断を据え置き、「一部に弱めの動きがみられるものの、横ばい圏内の動きとなっている」とした。
中東情勢の影響
中東情勢の悪化は原油などの調達難や調達コストの上昇につながっている。化学メーカーの一部は3月から始めた減産を続け、収益にも影響が出ている。それでも5~6月頃までの原材料は確保し、バランスを取りながら生産計画を立てている。化学製品を原材料とする製造業の企業も含め、代替調達先の確保や価格転嫁などを図っている。
県全体としては備蓄原材料で対応できている企業が多く、減産の動きは広がっていない。だが、原材料調達を不安視する向きは幅広い業種に及ぶという。
個人消費の動向
個人消費の判断は「着実に持ち直している」と28か月続けて据え置いた。スーパーやドラッグストア、コンビニ店などでは物価上昇を受けた消費者の節約志向が引き続きみられるものの、高価格帯の総菜をはじめ、お祝い事をする「ハレの日」需要は好調。外食や宿泊、旅行などのサービス業も所得改善効果に支えられて順調だ。
支店長の見解
記者会見した辻信二支店長は「中東情勢を受け、県内の生産や流通などに目詰まりが起き、影響が県経済全体に広がることがないかどうかを注視する必要がある。原材料調達の先行きについては、企業ヒアリングなどを通じて丁寧に状況を確認していきたい」と述べた。



