郡山ザベリオ学園中(郡山市)は本年度、特設探究部を新たに始動させました。この部活動は、生徒たちが自分の好きなことや得意なことに好奇心を持って取り組むことを支援し、将来の選択肢を広げ、個性を伸ばすことを目的としています。同時に、同学園の小学校でも新プログラム「探究講座」がスタートし、学校全体で子どもたちの「生きる力」を育む取り組みが進められています。
特設探究部の初回活動
2月28日、特設探究部の第1回活動が行われ、1~3年生の約10人が参加しました。各自が恐竜の研究、プログラミング、ゲーム開発など、自分が取り組みたいテーマを持ち寄り、中にはすでに自宅で数年活動している生徒もいます。クラブは月1回のペースで活動し、初回は各自がテーマに関心を持つ理由を話し合い、年度計画を作成しました。今後は月1回集まり、活動報告や意見交換を行います。
「ミライ×ジブン探究」からの発展
同校では一昨年度から、総合的な学習の時間に「ミライ×ジブン探究」という授業を実施しています。これは、高校や大学、その先の将来を見据え、社会を知り、自分がどのような生き方をしたいかを考えさせるものです。特設探究部は、この授業をさらに発展させ、子どもたちの「好きなことをとことんやりたい気持ち」をしっかり支えるために設立されました。
顧問の先生の思い
創設を提案した顧問の荒井裕美先生は、スマートフォンなどのデジタル機器に生活が占領され、「大人も子どもも好奇心にふたをされて、好きなことが分からない人が増えている」と感じていました。「好き、嫌い、面白い、面白くないという感性が表れにくくなっている。自由な時間が少ないのも一因かもしれないと考え、平日に学校で自由な時間を作ろうと思いました」と語ります。
活動を通じて、部員たちには好きなことを外に発信することで新たな発想や成果が生まれることを経験してほしいと考えています。また、部員以外の生徒にも好きなことに取り組む楽しさを知ってもらい、「どんなことでもいい。好きなことを外に出していい」という雰囲気を学校内に広めることを目指しています。
荒井先生は「学校だからこそできるバックアップがある」と強調し、教科の楽しさや学んだ知識が社会でどう使えるかを子どもたちに伝える機会を提供したいと述べています。1年後には「部員以外の生徒からも『やりたい』が増えてくれたらうれしい」と期待を寄せ、多様な考え方が広がり、福島県の教育格差が減ることにもつながればと話しています。
小学校の探究講座
郡山ザベリオ学園小でも、探究の授業に加えて月2回の探究講座を開始しました。目的は、自分で課題を見つけ解決法を考える力を育て、何度も挑戦する粘り強さを養うことです。定員の倍の参加希望があり、担当の青山典義先生は「子どもたちのニーズに合っていることが確認できた」と手応えを感じています。
家庭でできること
子どもたちの好奇心や好きなことに取り組む力を育むために、家庭ではどのようなことができるでしょうか。荒井先生は「探究というと大きなことをしなければと思いがちですが、『今日はどの服を着ようか』『何を食べようか』と考えるのも、自分で選び考えているので探究です。そう思えば生活の中で取り組みやすいです」と話します。「感性や好奇心は誰にでもあります。それを呼び起こし、気になることを見つければ、自分でどうにかしたいと思って探究が進みます。子どもが学校から持ち帰った『やってみたい』を家庭で拾ってあげてください」と呼びかけます。
青山先生も「子どもがやってみようとしていることを、止めずに見守ってください。子どもが考えたり何かする時間を確保することも大切です」と助言。さらに、子どもの「やりたい」に寄り添い、求められたときにサポートする距離感や、つい考えを促したくなる親の気持ちを抑え、自発性を育むことの重要性を挙げています。



