瀬戸内海に浮かぶ「真っ白い島」の正体は国内最大の塩の中継基地
瀬戸内海の白い島、正体は国内最大の塩基地

瀬戸内海に面する道を車で走っていると、突如として真っ白い島が現れる。砂なのか大理石なのか、それとも何かを覆っているシートなのか。調べてみると、それは私たちが日常的に口にしているものの国内最大の中継拠点だった。

三ツ子島の正体

この島は広島県呉市の三ツ子島(三子島とも呼ばれる)。呉市と橋でつながる倉橋島の沖合100メートルほどの場所に浮かんでいる。遠くから見ると、その白さがひときわ目立つ。

島内には「三ツ子島埠頭」という会社があり、船で近づくと「白い壁」が迫ってくる。約3分で到着した。あの白いものの正体を尋ねると、経営管理部長の宮田正彦さんは「塩ですね」と答えた。なぜ塩がこの場所に、これほど大量にあるのか。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

歴史と役割

三ツ子島埠頭によると、島にはかつて旧海軍の倉庫などがあった。戦後は農地となり、1956(昭和31)年に米国の海運会社が買い取り、同時に現在の三ツ子島埠頭を設立。桟橋を設けるなどして、1966年からメキシコの塩田で生産された塩の保管・積み替え場所として利用を開始した。以来、輸入塩の中継基地として使われ、国内最大規模を誇る。

施設の規模

塩の保管場所は東京ドームの約1.2倍、約5万6千平方メートルの広さで、最大110万トンを保管できる。20万トン級の大型船でメキシコから約17万トンの塩が運び込まれると、社員20人が2交代制で5昼夜かけて島に陸揚げする。年間の取扱量は百数十万トンに上り、注文に応じて国内外に出荷されている。

立地の利点

島の周りは水深18メートルと深く、大型船が着岸できる。瀬戸内海の天候は穏やかで、海が荒れることも少ないため、保管場所として絶好の環境だ。

塩の用途

大量の塩に驚きを隠せないでいると、宮田さんが「塩は形を変えて、あらゆるものに使われています」と解説してくれた。塩は水に溶かして電気分解され、塩素やカセイソーダ(水酸化ナトリウム)の原料となる。これらはビニールやガラス、服や洗剤、薬品などに姿を変える。

三ツ子島埠頭の取扱量の75%がこうした「工業用塩」で、残り25%が食塩や融雪剤などに使われる。国内での塩の消費量約780万トンのうち、三ツ子島埠頭は100万トン超を取り扱っているという。

塩の山の特徴

塩の山を案内してもらった。さらさらなイメージとはまったく異なり、がちがちに硬く、凍った雪山のようだ。大きな結晶があちこちにある。雨ざらしだが、表面が溶けてもすぐに再結晶して固まる。そもそも海水から作られたものなので、少々溶けても問題はない。

扱っているのが塩だけに、機械類がさびないようステンレスを貼ったり、定期的に塗装をし直したりと、入念にメンテナンスが行われている。

宮田さんは「塩は食用のイメージがあると思いますが、いろいろなものに使われている。皆さんの日々の生活・暮らしを支えている、という誇りを持って仕事をしています」と語った。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ