福井1区で連合支援の友党が競合、共倒れに 国民民主と中道改革連合の対立で選挙協力実らず
福井1区の衆院選において、連合が支援する国民民主党と中道改革連合の候補者が競合し、共倒れの結果となった。連合は一本化を繰り返し求めたが、両党は「それぞれが独立した組織」と主張し、協力は実現しなかった。選挙結果は双方の得票が伸び悩む形となり、連合の求めた「友党の協力」は実を結ばなかった。
連合の抗議と一本化要請も実らず
衆院選公示直前の1月23日、国民民主党が福井1区に新人の山中俊祐氏(42)を擁立したことに対し、連合は同党代表の玉木雄一郎氏に文書で強く抗議した。同区には連合の組織内候補で、前回選は立憲民主党、今回は中道改革連合から出馬した前議員の波多野翼氏(41)がいたためだ。
ともに連合が支持する立民(中道改革)と国民民主が県内選挙区で競合するのは、昨年7月の参院選に続いてとなった。参院選で連合福井は、両党県連に一本化を繰り返し要請してきたがまとまらず、国民民主は新人の山中氏、立民も新人を擁立。連合福井は「組織を二分して選挙をすることはできない」として、双方への推薦を見送った。
以後、連合福井は、次期衆院選では「現職(波多野氏)に推薦を出す」とし、両党県連に重ねて一本化を求めた。解散が近づいた1月15日、会長の橋岡克典氏は立民県連幹事長の野田哲生氏、国民民主県連幹事長の川畑孝治氏らと福井市内で面会し、改めてくぎを刺した。
ただ、両党県連の協議はまとまらなかった。衆院選と参院選で両党がすみ分けられないかとの意見も出たが「確約出来るか不透明」などとして、折り合いはつかなかった。協議後、国民民主県連は山中氏の擁立方針を確認。分裂は決定的となった。
両党の思惑と選挙結果
両党県連にはそれぞれの思惑があった。波多野氏は前回、自民党の稲田朋美氏(66)に約1万6000票差にまで迫り、比例復活した。中道改革に参加した今回は、これまで稲田氏に流れていた公明党支持層の票が期待できるため、勝機はあるとみられていた。
一方の山中氏は、参院選で次点につけ、立民候補との得票差は5万票を超えていた。衆院選での党勢拡大に向け、小選挙区に候補者を積極擁立し、比例票を獲得するという目的もあった。
しかし、選挙結果を見れば「共倒れ」となった感が否めない。波多野氏の得票は、公明の支援を受けたにもかかわらず、前回選の55%にとどまった。山中氏も、参院選の福井1区(6市町)での得票と比べると、67%止まりだった。
連合と両党の対立が鮮明に
連合会長の芳野友子氏は、9日の記者会見で「(両党に)候補者調整してほしいという考え方は変わらない」と述べた。しかし、立民県連の野田氏は「仲間だと思ってきたが、もう他党という認識」と突き放す。国民民主県連の川畑氏も「それぞれが独立した組織。我々は連合の下請けではない」と強調する。
連合福井関係者は肩を落とす。「(国民民主に)労働組合を分断されるのは我慢ならないが、(連合)本部もいつまでも『友党で協力し合って』では、組合員の信頼をなくしていく」と語った。
この選挙結果は、連合が求める友党間の協力が困難であることを示しており、今後の政治動向に影響を与える可能性がある。福井1区での共倒れは、連合の戦略と両党の独立志向の衝突を象徴する事例となった。