高市早苗首相は5月1日から5日までの日程で、ベトナムとオーストラリアを訪問します。この外遊の重要な目的の一つは、提唱から10年を迎える日本の外交方針「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を進化させた「新たなFOIP」をベトナムで表明することです。
Q: FOIPとは何ですか?
A: 「自由で開かれたインド太平洋」の略称で、自由や法の支配といった基本的な価値観を重視する周辺国との連携を拡大し、地域の安定を図るという外交ビジョンです。この構想は安倍晋三元首相が2016年に提唱したもので、その後、日米共通の外交方針として発展し、欧州各国や東南アジア諸国連合(ASEAN)も支持するようになりました。
Q: 新たなFOIPはこれまでと何が違うのですか?
A: 高市首相は、インド太平洋地域を「強く、豊かに」するというスローガンの下、「自律性(じりつせい)」と「強靱性(きょうじんせい)」を高める必要性を新たに盛り込もうとしています。提唱から10年が経過し、変化する安全保障環境に適応できるよう、FOIPをバージョンアップさせる狙いがあります。
Q: なぜ「自律性」や「強靱性」という言葉を強調するのですか?
A: 近年、特定の国が他国を威圧する手段として経済的圧力や軍事力を行使する事例が増加しています。こうした状況に対応するため、各国が外部からの圧力に左右されず、自らの判断で行動できる「自律性」と、危機に際しても柔軟に対応できる「強靱性」を強化することが重要だとされています。新たなFOIPでは、これらの概念を協力の柱として位置づけ、地域全体の安定と繁栄につなげたい考えです。
首相は、ベトナムでの講演や首脳会談を通じて、新たなFOIPの具体的な内容を説明する予定です。また、豪州では、安全保障や経済分野での連携をさらに深める議論が行われる見通しです。



