企業版ふるさと納税の仲介に地銀が本腰、取引先開拓の新たな接点に
企業版ふるさと納税仲介に地銀本腰、取引先開拓の接点に

2016年度に始まってから、伸び続ける企業版ふるさと納税の仲介に、地方銀行が本腰を入れている。地元の自治体事情を知り尽くしたうえ、県外に本拠を構える企業とも取引がある地銀にとっては得意分野。新たな取引先との「接点」にもなりうるとして営業活動を強化する。

宇都宮市で最高額の寄付、地銀が仲介

「市政始まって以来の(寄付の)最高額。ありがとうございます」

「魚べい」などのすしチェーンを運営する宇都宮市が発祥の「Genki Global Dining Concepts」(ゲンキ社、本社・東京)が6千万円を寄付し、佐藤栄一市長が今月14日、感謝状を贈った。仲介した足利銀行(本店・同市)の清水和幸頭取も同席。「(企業と地元自治体の)マッチングは我々の責務。東京の企業にも積極的に声をかけている」と胸を張った。

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宇都宮市が整備し、3月に開業したばかりの「アークタウン宇都宮」で開かれたスケートボード日本オープンの様子。すしチェーン運営会社が整備費として企業版ふるさと納税で2千万円を寄付した。

地銀にとってのメリット

地方銀行にとって、企業版ふるさと納税の仲介は複数の利点がある。第一に、地元自治体の財政状況や課題を熟知しているため、企業のニーズに合ったプロジェクトを提案しやすい。第二に、県外企業との取引実績を生かし、新たなビジネスチャンスを創出できる。第三に、仲介を通じて企業との関係を強化し、融資やその他の金融サービスにつなげられる。

足利銀行は、宇都宮市とゲンキ社のマッチングに成功した事例を皮切りに、さらに多くの企業と自治体の橋渡しを目指している。清水頭取は「企業版ふるさと納税は、地域貢献と企業の成長を両立させる有効な手段。当行として積極的に支援していく」と述べた。

今後の展望

企業版ふるさと納税は、2016年度の制度開始以来、寄付額が年々増加している。2025年度には過去最高を記録する見通しで、地銀の仲介役割がますます重要になるとみられる。特に、地方創生の観点からも、地銀が地域の資金循環を促進する役割が期待されている。

一方で、仲介業務には専門知識が必要であり、人材育成や情報収集体制の強化が課題となる。足利銀行は、専任チームを設置し、自治体や企業とのネットワークを拡大している。

今後、他の地方銀行も同様の取り組みを加速させる可能性が高い。企業版ふるさと納税の仲介が、地銀の新たな収益源として定着するか注目される。

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