アラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を正式に表明した。この決断の背景には、OPECの盟主であるサウジアラビアとの間で増産をめぐる路線対立があるとみられる。加盟国間で生産量を調整し石油価格の安定を図る「国際カルテル」として知られるOPECの影響力が低下すれば、中長期的に石油価格の変動が大きくなる恐れがあり、日本経済にも波及する可能性が指摘されている。
OPECの歴史と変遷
OPECは1960年に設立された産油国の組織である。石油は自動車やプラスチック製品、さらには発電にも不可欠な資源であったが、当時の価格決定権は「メジャー」と呼ばれる欧米の石油企業が握っていた。これに対抗するため、産油国自らが生産量を決定し各国に割り当てることで石油価格をコントロールすることを目指したのが始まりである。当初の加盟国はサウジアラビアを含む5か国だったが、現在は12か国に拡大している。
石油ショックとシェアの変動
1970年代には世界の石油生産に占めるOPECのシェアは5割を超え、1973年の第四次中東戦争ではイスラエル支持国への石油禁輸を実施し、世界的な石油ショックを引き起こした。しかし、その後シェールオイル革命により米国などの非OPEC産油国が台頭し、現在のOPECのシェアは3割以下にまで低下している。
OPECプラスの枠組み
影響力の低下を懸念したOPECは2016年、ロシアなど非加盟11か国を加えた「OPECプラス」の枠組みを発足させた。これにより、世界の石油生産の約5割を占める産油国が生産調整を行う場として、存在感を維持しようとしてきた。最近でも、トランプ米大統領がOPECを「石油価格をつり上げて世界中を食い物にしている」と激しく非難するなど、一定の影響力を保持していた。
脱退の影響と今後の見通し
UAEの脱退はOPEC加盟国にとって痛手となる。特に、増産路線をめぐるサウジアラビアとの対立が表面化したことで、今後のOPEC内の結束がさらに弱まる可能性がある。専門家は、OPECの影響力低下が中長期的に石油価格の変動を拡大させ、日本を含む石油輸入国に悪影響を及ぼすと警告している。日本は石油の大部分を中東に依存しており、価格変動リスクへの備えが求められる。
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