ハンガリーのマジャル次期首相は29日、ブリュッセルで欧州連合(EU)のコスタ大統領、フォンデアライエン欧州委員長とそれぞれ会談した。マジャル氏は5月9日に首相に就任する予定だが、就任前にEU指導部が直接会談するのは極めて異例の対応だ。
親EU姿勢を明確に
これまでハンガリーはオルバン首相の下でロシア寄りの立場を強め、EU内での足並みを乱す存在となっていた。しかし、次期首相のマジャル氏は親EU路線を打ち出しており、EU側はこれを歓迎する姿勢を示している。今回の会談もその流れの一環とみられる。
補助金問題が焦点
EUはオルバン政権の汚職体質や司法の独立性の欠如を問題視し、ハンガリー向け補助金のうち約180億ユーロ(約3兆3700億円)の支給を凍結してきた。このうち、新型コロナウイルス感染症の世界的流行からの復興資金約100億ユーロは8月末で失効するため、マジャル氏はEUとの調整を急いでいる。既に高官級協議も実施されており、早期解決を目指す。
会談後の反応
フォンデアライエン委員長は会談後、交流サイト(SNS)に「補助金支給に必要な措置について協議した。この問題の解決や、欧州の価値観に再び共鳴しようという取り組みを支援する」と投稿した。一方、マジャル氏も「EUの資金は近くハンガリーに届けられる」と述べ、会談で前向きな感触を得たことを明らかにした。
マジャル新政権の発足により、ハンガリーとEUの関係改善が期待される。就任後も引き続き、補助金問題や法治主義の尊重など、多くの課題に取り組む必要がある。



