中小企業の休廃業・解散が急増、後継者不在が深刻な課題に
休廃業や解散する中小企業が増加しており、地域経済の活力低下を招く恐れが強まっています。これらの企業は雇用や技術を支える重要な存在であり、事業を将来に引き継ぐための支援体制の充実が求められています。
県内で休廃業・解散が過去最多、経営者の高齢化が背景
帝国データバンク郡山支店の調査によると、昨年県内で休廃業・解散した企業は909件に上り、直近10年間で最多となりました。そのほとんどが中小・零細企業で、経営者の平均年齢は73歳と高齢化が進んでいます。後継者不在を背景に、経営者の体調不良や会社設備の故障などを潮時と捉え、たとえ黒字であっても事業を畳むケースが多いと報告されています。
後継者不在の割合は改善も、依然として大きな課題
同支店が昨秋、県内全業種約3500社を対象に行った調査では、全体の40.5%が後継者が「いない」または「未定」と回答しました。これは2019年の最高値64.5%から24.0ポイント改善したものの、後継者難は依然として大きな課題となっています。従来、中小・零細企業では親族や従業員が事業を引き継ぐことが多かったですが、引き継ぎ手がいない場合には第三者による企業の合併・買収(M&A)が選択肢の一つとして浮上しています。
事業承継相談が過去最多、M&Aの認知度向上も課題
中小企業庁が設置する「県事業承継・引継ぎ支援センター」によると、24年度に寄せられた事業承継に関する新規相談は323件で過去最多を記録しました。集計中の25年度の件数はさらに増加する見込みです。「会社を売りたいが、どこから始めたらいいのか分からない」といった声が多く、M&Aの認知度は高まってきているものの、その一歩の踏み出し方に戸惑う経営者は少なくありません。センターでは、事業引き継ぎに向けた具体的なノウハウを丁寧に説明していくことが重要だと指摘しています。
官民連携による支援拡充が急務、法的助言も強化
センターは先月、県弁護士会と連携協定を結び、法的な観点から事業承継を検討している経営者らの相談に乗る体制を整えました。全国的にM&A市場が拡大する中、仲介業者や買い手側企業とのトラブルが増加傾向にあり、売り手側が思わぬ損失を被らないよう適切な助言や指導が求められています。M&Aは中小企業が長年培ってきた事業価値を維持・拡大する有効な手段ですが、買い手企業との適切なマッチングや従業員・取引先からの理解が欠かせず、事業の引き継ぎには数年の期間を要するなど、乗り越えなければならない課題も多いです。
これらの課題を克服するためには、行政に加えて地域の商工会議所・商工会、金融機関などの協力が不可欠です。官民で情報共有を図りながら、M&Aに関する広報や資金面での援助などを拡充していくことが強く求められています。



