任侠電器第61回:張り込みの極意はトイレ確認、親分の用足しに日村困惑
任侠電器第61回:張り込みの極意はトイレ確認

駐車場での張り込み

「すみません。駐車料金がかかりますが……」と稔が言うと、阿岐本が答えた。「なに、どうってこたあねえ。ここは理想的な場所だよ」

日村が尋ねる。「店を監視するってことですか?」「監視じゃねえよ。様子を見るんだよ」「様子を……」阿岐本の考えは理解できない。どうせ理解できないのだから黙っていようと日村は思った。

後部座席の阿岐本はリアウインドウからスギモト電器を見ている。日村も時折振り向いて店の様子をうかがった。ちょうど店名が書かれた車が出ていくところだった。スギモト電器の営業車だろう。それ以外の動きはあまりなく、客が訪れる様子もない。

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客の少なさに思うこと

こんなに客が来ないんじゃ、いずれつぶれるよな……と日村が思っていると、阿岐本が言った。「刑事が言ってたけどな」「はい」「張り込みで一番大切なのは何だと思う?」「そりゃあ、容疑者でしょう」「手洗いなんだそうだ」「トイレですか」「張り込みにつくときにはまず、手洗いの場所を確認しておくってことだ」「なるほど」

親分の用足し

「つうわけで、俺は用足ししてくるぜ」と阿岐本。親分を一人でトイレに行かせるわけにはいかない。日村はそう思い、後を追おうか迷う。

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