ニデック社長「歴史上初のボトムアップ」品質不正調査完了、永守流からの転換を強調
ニデック社長「歴史上初のボトムアップ」品質不正調査完了

モーター大手のニデック(旧日本電産)の岸田光哉社長は2日、朝日新聞のオンライン取材に応じ、品質不正の疑いがある事案に関する社内総点検が5月末までにほぼ完了したことを明らかにした。すでに公表された「1千件超」という規模感に変化はないという。また、取引先に発生する追加費用については、基本的にニデック側が負担する方針を示した。

品質問題の詳細と対応

5月に公表された品質問題では、取引先に無断でモーターの部材や設計を変更したり、試験データを改ざんしたりした疑いが浮上している。岸田氏は、取引先に追加の試験や部品交換などが必要になった場合の費用負担について、「課題が出てくればその方向で対応させていただく」と述べ、ニデック側が負担する考えを改めて示した。

決算発表と有価証券報告書の期限

ニデックは会計不正を受けた決算の訂正作業を進めているが、2026年3月期の決算をまだ発表できていない。6月18日の定時株主総会にも間に合わない見通しで、6月末が期限の有価証券報告書の提出も延期すれば2年連続となる。岸田氏は「すべての可能性を考慮しながら、正確な情報を出すことを優先して作業をしている」と述べ、延期の可能性を否定しなかった。

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内部管理体制の改善

岸田氏は、日本取引所グループ(JPX)による今秋以降の上場維持審査に向け、内部管理体制の改善が進んでいると強調。従来はトップダウンで非現実的な業績目標が現場に押し付けられていたとされるが、「歴史上初めてかもしれないが、2026年度の事業計画は本当にボトムアップで提示・運営されている。大きな変化を実感している」と語った。

永守流からの転換

会計不正を調査した第三者委員会は、「最も責めを負うべき人物」として創業者の永守重信氏を挙げ、「永守氏の会社」からの脱皮を提言していた。岸田氏は、永守氏が作った「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」などの「三大精神」について、「社内のポスターはすべて取り外した。全部を否定するものではないが、新たに作る『パーパス』(組織の存在意義)に置き換える方向で見直しを進めている」と説明した。

株主代表訴訟の見送り

岸田氏はまた、3月末に個人株主から請求のあった現旧取締役への提訴をまだ見送っていることも明らかにした。原則60日以内に提訴がない場合、株主は自ら株主代表訴訟を提起できるが、5月末に期限を迎えていた。会社が設置した「役員責任調査委員会」の議論が続いており、「その結論を踏まえて対応する」方針を改めて示した。

ニデックは、品質不正と会計不正の両方の対応に追われているが、岸田社長のリーダーシップの下、脱・永守体制への移行を着実に進めている。

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