愛知県は2日、南海トラフ地震に関する独自の被害予測を12年ぶりに見直し、発表した。マグニチュード(M)9級の地震が発生した場合、県内の死者は最大約2万7千人に達すると推計。これは国が昨年3月に発表した想定より約8千人多い数字で、うち浸水・津波による死者は約1万4千人に上るとしている。また、全壊または焼失する建物は約36万棟に及ぶと見込まれる。
最新データに基づく見直し
国の想定見直しに合わせ、愛知県は2024年に専門家らによる検討委員会を設置。地盤・地形や人口などの最新データを用いて、2014年の予測を全面的に見直した。県の推計は国とは異なり、地震の揺れによって河川や海岸の堤防などの防災施設が機能しなくなる前提で行われている。
理論上最大モデルの影響
県によると、千年に1度とされる理論上最大モデルの地震(M9級)が発生すると、沿岸部を中心に震度7の地域が広がり、県内の広い範囲で震度6強以上の強い揺れに見舞われる。特に濃尾平野などでは液状化の危険性が高まる。津波については、豊橋市で地震発生から6分後に高さ30センチの津波が到達し、最大津波高は田原市で20メートルを超えると予想される。
被害想定の詳細
想定される被害の内訳として、死者約2万7千人のうち、津波による溺死が約1万4千人、建物倒壊による圧死が約1万人、火災による焼死が約3千人とされる。負傷者は約5万5千人に上り、避難者は最大で約100万人に達する可能性がある。また、ライフラインの被害も深刻で、停電は約150万軒、断水は約120万世帯に及ぶと見込まれる。
対策の強化を呼びかけ
愛知県は今回の新想定を受け、住民に対して早期避難や耐震化の重要性を改めて強調。特に冬の深夜に地震が発生した場合、避難が遅れる恐れがあるとして、日頃からの備えを呼びかけている。県は今後、防災計画の見直しや避難所の整備を進める方針だ。



