朝晴れエッセーは、読者からの心温まる投稿を紹介するコーナーです。今回は、神戸市東灘区に住む大槻高子さん(70)から、母校からの贈り物に関するエッセーが寄せられました。
同窓会案内が届く
先日、母校から同窓会の案内が届きました。昨年、存続の危機が噂され、心配していましたが、「短大も自然淘汰か」と半ば諦めの気持ちで封を開けました。すると、中には「卒業50年後のお祝い」をしてくださるという通知が入っていました。毎年恒例の行事だと知り、改めて母校の懐の大きさに驚かされました。
137年の歴史に誇り
母校は「保姆伝習所」として神戸の地に産声を上げ、137年の歴史を持ちます。卒業生としても誇りであり、さまざまな努力によって存続が確定されたことを心からうれしく思いました。今までの不義理をおわびする気持ちで、久しぶりに母校を訪問する機会を得ました。
チャペルでの懐かしい記憶
ミッション系の母校にはチャペルがあり、入り口では創立者の胸像が優しく出迎えてくれます。チャペルに響く賛美歌を聴きながら、50年前、私はこんな空間を学び舎として、保育士になる夢に胸を膨らませていたことを思い出しました。今、改めて母校の存在に感謝でいっぱいです。
記念品のスプーンとフォーク
その日いただいた記念品は、校章が刻印されたスプーンとフォークの2本。ああ、食器棚の引き出しに全く同じものがあります。卒業記念品だったのです。卒業の折、「自分の力で食べていきなさい」と背中を押された気持ちで手にしたスプーンとフォーク。高齢者となった今、「これからも自分の力で食べるのよ」と励ましてくれているのかな? うれしい気持ちで苦笑いしてしまいました。
母校からの贈り物は、単なる記念品ではなく、人生の節目ごとに新たな意味を持って私たちに語りかけてくるのかもしれません。



