日本将棋連盟は5日、東京都内で通常総会を開催し、棋士編入試験の受験資格を3回得た女流棋士やアマチュアに四段(棋士資格)の権利を付与する制度改正案を否決した。反対多数での否決となり、女性棋士誕生への道は険しいままとなった。
編入試験の現状と否決の影響
棋士になるには養成機関「奨励会」を突破する必要があるが、女性の棋士は過去に一人もいない。編入試験は、棋士の公式戦で一定の成績を挙げた女流棋士やアマチュアが、若手棋士と五番勝負を戦い、3勝すると合格する仕組みだ。過去には5人が挑戦し、アマチュア3人は合格したものの、女流棋士トップの福間香奈女流五冠(34)は2回、西山朋佳女流三冠(30)は1回受験して不合格となっている。今回の議案が可決されていれば、福間女流五冠はもう1回の資格獲得で棋士になる権利を得ていたが、実現しなかった。
総会の様子と清水会長の見解
総会には棋士や一部の女流棋士ら196人が出席し、反対多数で否決された。会長の清水市代女流七段(57)は会見で「結果が連盟の会員の意見。ストレートに伝わった」と述べ、否決の結果を受け入れる姿勢を示した。一方で、昨年の総会では「女流タイトル『白玲』を5期獲得すると棋士資格を得る」とする議案が可決されており、女流棋士同士の対局で達成可能な「白玲5期」が制度化された一方で、編入試験3回案が否決されたことについて、整合性に欠けるとの指摘も出ている。総会では出席者からこの点に関する質問があったという。
清水会長は会見で、妊娠・出産規定の議論にも初めて言及し、「連盟の常識は世間の常識と異なっていた」と述べ、今後の見直しの必要性を認めた。女流棋士の棋士資格取得をめぐる議論は、今後も続きそうだ。



