北九州市で和布刈神事、たいまつの明かりでワカメ刈り取り航海安全祈願
和布刈神事、たいまつ明かりでワカメ刈り取り航海安全祈願

北九州市で約1800年の伝統「和布刈神事」が執り行われる

関門海峡で刈り取ったワカメを神前に供え、航海安全や豊漁を祈願する「和布刈(めかり)神事」が17日未明、北九州市門司区の和布刈神社で行われた。この神事は福岡県の無形民俗文化財に指定されており、地域に根付いた貴重な伝統行事として知られている。

たいまつの明かりを頼りに深夜のワカメ刈り取り

旧暦の元日に執り行われるこの神事では、潮が引いた午前2時20分頃から開始された。烏帽子(えぼし)に狩衣(かりぎぬ)姿の神職3人が、海に面する石段を下りて岩場へ向かった。彼らは巨大なたいまつの明かりを頼りに、福を招くとされるワカメを鎌で丁寧に刈り取り、その後社殿に献上した。

和布刈神社は約1800年前に創建されたと伝えられており、長い歴史の中でこの神事が継承されてきた。暗闇の中、揺らめく炎の光だけが頼りの作業は、厳粛かつ神秘的な雰囲気に包まれた。

初めての見物客も荘厳な雰囲気に感動

初めてこの神事を見物したという門司区在住の64歳の市民は、「いつも参拝している神社ですが、昼間とは全く違う荘厳な感じがしました。たいまつの明かりが海面に反射する様子は、とても幻想的でした」と語った。

この神事は、地域の漁業関係者や航海に携わる人々から厚い信仰を集めており、毎年多くの参拝客が訪れる。伝統的な装束を身にまとった神職たちの厳かな動作は、現代に生きる私たちに歴史の重みを感じさせる。

北九州市では、こうした無形民俗文化財を後世に伝える取り組みが進められており、地域の文化遺産としての価値が再評価されている。和布刈神事は、単なる儀式ではなく、人々の生活と海との深い結びつきを象徴する行事として、今後も継承されていくことが期待されている。