岐阜県関市の伝統食「玉みそ」製造が最盛期を迎える
岐阜県関市に伝わる郷土食「玉みそ」の製造が、現在最盛期を迎えている。この伝統的な保存食は、蒸した大豆をつぶして作られ、わら縄に通して乾燥させる独特の製法で知られている。製造工程は長期間に及び、4月まで乾燥させた後、しょうゆなどに数か月から数年漬け込んで仕上げられる。
たんぱく質と塩分が豊富な携行食としての歴史
玉みそは、たんぱく質と塩分を効率的に摂取できることから、古くから携行食として重宝されてきた。保存性が高く、栄養価も優れているため、農作業や旅の際の貴重な食糧として地域に根付いてきた。しかし、現代では製造を続ける家は数軒のみとなり、貴重な伝統食品として注目を集めている。
甘い香りとまろやかな後味が特徴
関市で古民家カフェを経営し、玉みそを提供する中田誠志さん(48)は、その味わいについて次のように語る。「甘い香りとまろやかな後味が格別です。特に2年ほど漬け込むと、甘みがなめらかになり、さらにおいしさが増します」。中田さんは、この伝統食の魅力を多くの人に知ってもらおうと、カフェでの提供を通じて普及に努めている。
玉みその製造は、地域の気候や風土に合わせた知恵が詰まっており、関市の文化を象徴する食品の一つと言える。最盛期を迎えた今、その製法や味わいが改めて評価され、保存食としての価値が見直されている。