大堀相馬焼の復興へ、9代目窯元がクラウドファンディングで後継者育成を目指す
大堀相馬焼復興へ、9代目窯元がCFで後継者育成 (16.02.2026)

大堀相馬焼の産地再興へ、クラウドファンディングが始動

東京電力福島第1原発事故の影響で一時全域に避難指示が出ていた福島県浪江町において、伝統的工芸品「大堀相馬焼」の産地再興を目指すクラウドファンディングが開始されました。この企画を主導するのは、同焼き物の窯元「陶吉郎窯」の9代目を務める近藤学さん(72歳)です。近藤さんは「300年以上続いてきたこの産地を、確実に後世に継承したい」と強く願い、その実現に向けて後継者育成の場づくりに取り組んでいます。

特徴的な馬の絵付けと歴史的背景

大堀相馬焼は、馬が疾走する姿を力強く表現したダイナミックな絵付けが大きな特徴です。近藤さんによれば、この工芸品は江戸時代から浪江町の大堀地区で生産され、各窯元が主に世襲制によって技術を継承してきました。また、分業制が確立されており、絵付けや成形など工程ごとに専門の職人が存在し、地域全体で産業を支えてきた歴史があります。

原発事故による影響と現在の状況

しかし、原発事故前には20軒を超えていた窯元は、事故後に廃業したり、避難先で新たな拠点を構えたりしたため、浪江町に戻って活動を再開したのは近藤さんただ一人となりました。近藤さんは「一軒だけでは、産地としての存続は困難だ」と危機感を抱き、昨年から自身の制作活動と並行して弟子の育成を始めました。昨年は2人の弟子を受け入れ、今年の春にも新たに1人が加わる予定で、5年間で約10人の弟子を受け入れる計画を立てています。

クラウドファンディングの詳細と将来展望

クラウドファンディングで集められた資金は、弟子たちの工房や販売所の整備に充てられます。募集の締め切りは21日で、目標金額は600万円に設定されています。近藤さんは、弟子たちを10年後には大堀地区で独立させ、かつてのような活気ある産地を再生させたいと考えています。「10軒の窯元が再び生まれれば、産地としての復興が可能になる。道のりは険しいが、100年先を見据えて、自分にできる限りのことをして技術を伝えていきたい」と語り、決意を新たにしています。

返礼品の内容と支援の呼びかけ

このクラウドファンディングでは、支援金額に応じて、大堀相馬焼の湯飲みや酒瓶、さらには浪江町のガイドツアーなど、多彩な返礼品が用意されています。これにより、より多くの人々に伝統工芸の復興に関心を持ってもらい、支援を広げることを目指しています。