柏から世界へ、子どもたちの可能性を広げる国際大会
千葉県柏市で4月、12歳以下の子どもたちが出場するサッカーの国際大会が開催され、日本を含む5カ国から12チームが集結しました。Jリーグの柏レイソルや地元企業の協力のもと、今年で2回目を迎えたこの大会を実現させたのは、一人の元サッカー少年の情熱でした。
大会は4月2日から4日にかけて行われ、満開の桜に囲まれたピッチではタイ語や韓国語などが飛び交いました。柏レイソル、大分トリニータ、コンサドーレ札幌、川崎フロンターレなどのアカデミーに所属する子どもたちに加え、地元柏や東京都内のチームが出場。大会事務局長の小杉恵太さん(36)は、「僕は海外に行って世界が広がった。逆に柏に世界からチームを呼ぶことで、『柏から世界へ』という形で子どもたちの可能性を広げたい」と語ります。
元サッカー少年の衝撃体験が原動力
柏で生まれ育った小杉さんは、中学2年生のときにアルゼンチンへ遠征した経験を持ちます。わずか10日間の滞在でしたが、南米に根付くサッカー文化や、同年代の選手たちがプロを目指して貪欲に練習する姿、そして高い能力を肌で感じました。「とてつもない衝撃だった。彼らのサッカーへの意識や取り組み、街全体がクラブを応援する雰囲気…。日本の環境は恵まれていたんだと思ったし、自分の価値観にも影響した」と振り返ります。プロへの夢は高校でのけがで断念しましたが、サッカーへの情熱は消えず、現在はスポーカル六本木SCで指導者の道を歩んでいます。
地元への恩返しと大会の広がり
地元への恩返しをしたいと、昨年クラウドファンディングで資金を集め、タイ、オランダ、ベルギー、日本の4カ国10チームで初開催。今年は韓国が加わり、地元企業の協賛を得て運営費2500万円を集めて実現しました。出場した小出陽大選手(11)は海外チームのレベルを体感し、「かっこいい。実力差がありすぎる」と感心。「普段は当たらないチームと戦えて勉強になる。盗めるものもあるし、強くなるきっかけにもなる」と前向きに語ります。
柏レイソルの全面協力と地域の力
小杉さんによると、大会が開催できたのは柏ならではの土地柄も大きいといいます。柏レイソルが日頃から子どもの育成を目的に地元クラブと提携するなど、サッカー熱を醸成してきたことが背景にあります。「サッカーや育成に思いを持つ方がたくさんいた。欧州の街と比べてもすごいことです」と感謝します。レイソルも全面協力し、アカデミーの練習拠点である人工芝グラウンドを主会場に提供。決勝戦はプロの試合が行われる日立柏サッカー場(三協フロンテア柏スタジアム)が貸し出されました。
レイソルのアカデミーダイレクター渡辺毅さん(53)は「感受性豊かな年代で、海外と戦う経験は選手にとって財産になる。子どもたちも成長し、顔もサッカーへの姿勢も変わる。僕ら指導者も含め、全員がいい刺激を受けている」と強調します。タイでは国内予選が実施されるなど、海外でも認知されつつあるこの大会。小杉さんの情熱は、世界と柏を結ぶ架け橋となりつつあります。



