セミルニー、ウクライナ侵攻反対で露からポーランドへ国籍変更 ミラノ五輪1万mで銀メダル獲得
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのスピードスケート男子1万メートル競技が13日に行われ、ロシアから国籍を変更したポーランド代表のウラジーミル・セミルニー選手(23歳)が見事に銀メダルを獲得しました。セミルニー選手は、ロシアのウクライナ侵攻に反対したことが報じられ、祖国では批判も受けたものの、新天地のポーランドで代表入りを果たし、初出場で表彰台に上がる快挙を成し遂げました。
侵攻反対の立場と国籍変更の経緯
2022年にロシアによるウクライナ侵攻が開始された後、国際スケート連盟はロシア勢を国際大会から排除する措置を取りました。この状況下で、セミルニー選手は2023年にポーランドへ移住し、同国のスピードスケート連盟が要求した文書に署名しました。その文書には、侵攻を支持せず、ロシア軍と無関係であることを確認する内容が含まれていました。そして、2025年8月に正式にポーランド国籍を取得し、代表選手としての道を歩み始めました。
祖国ロシアでの反応と批判
ロシア国内では、セミルニー選手の活躍を惜しむ声がある一方で、強い批判も巻き起こりました。特に、ロシア下院議員であり、2006年トリノオリンピックのスピードスケート女子金メダリストであるジュロワ氏は、「彼はロシアの利益を考えていない」と指摘し、厳しい見解を示しました。一部のメディアでは「裏切り者」と報じられることもあり、選手の決断に対する複雑な感情が浮き彫りになりました。
新天地ポーランドでの祝福と評価
一方、ポーランドのトゥスク首相は、セミルニー選手の「新しい祖国」での活躍を「素晴らしい物語だ」と祝福し、温かい歓迎の意を表しました。この銀メダル獲得は、単なるスポーツの成果にとどまらず、政治的立場や国籍変更を乗り越えた個人の決断と努力が実を結んだ象徴的な出来事として、国際的に注目を集めています。
セミルニー選手の軌跡は、現代のスポーツ界が直面する政治的・社会的課題を反映しており、今後の競技生活や国際関係における議論を呼び起こす可能性があります。今回のメダル獲得が、彼のキャリアの新たなスタートとなることが期待されます。