高梨沙羅、個人メダルに届かずも感謝の涙で五輪を締めくくる
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのスキージャンプ女子個人ラージヒルが15日に実施され、日本代表の高梨沙羅選手が16位に終わり、個人種目でのメダル獲得はならなかった。しかし、試合後には「感謝の気持ちでいっぱい」と語り、4年前の北京五輪での苦難を乗り越えての大舞台に万感の思いを涙に込めた。
初採用のラージヒルで奮闘も風の影響で苦戦
五輪で初めて採用された女子個人ラージヒルは、ノーマルヒルよりも大きな台を飛ぶ危険性や競技人口の少なさから、これまで実施されてこなかった歴史的な種目だ。高梨選手は、女子ジャンプの国際大会がなかった時代を過ごした先輩たちから多くのことを学び、競技のすそ野が広がって実現したこの舞台に臨んだ。
しかし、1回目のジャンプでは強い追い風にはたかれ、114.0メートルで17位と出遅れ。2回目は127.5メートルに伸ばしたものの、K点に0.5メートル届かず、日本勢最下位の16位に終わった。これは五輪での自己ワースト成績であり、「成長した姿を見てもらえるチャンスだったが、それができなくて、すごく悔しい」と悔しさをにじませた。
4年前の試練を乗り越え、混合団体で銅メダルに貢献
高梨選手は4年前の北京五輪では、混合団体でスーツの規定違反による失格という試練に見舞われた。紆余曲折を経てたどり着いた今大会では、その因縁の混合団体で日本初の銅メダル獲得に大きく貢献。一方で、個人戦2種目では2大会ぶりとなる表彰台に立てなかった。
「混合団体では自分の能力以上のものが出せた気がする。だからこそ、自分の能力のなさというか、情けなさが……」と消え入るような声で自らを責める場面もあった。しかし、「戻ってこさせてくれてありがとうございます、という気持ちでした」と、支えてくれたファンや仲間、先輩への感謝の念を繰り返し口にした。
日本女子ジャンプの先駆者としての決意
高梨選手は、日本女子ジャンプの先駆者としての役割を強く意識している。かつてのように他を圧倒する「飛べる型」をいかに取り戻すかが今後の課題だ。「もっと強くなって(日本チームの)力になれたらいい」と語り、次へのステップを見据える姿勢を示した。
今大会は、個人でのメダルこそ逃したものの、混合団体での銅メダル獲得を通じてチームに貢献。4年前とは全く違う、感謝に満ちた涙で五輪を締めくくった高梨選手の姿は、多くのファンに感動を与えた。今後のさらなる活躍が期待される。