岩手県花巻市でクマ襲撃事故 冬眠期の人身被害は2018年度以降初
2026年2月13日午後1時5分ごろ、岩手県花巻市の山あいで、クマの目撃情報を受けて追い払い作業にあたっていた猟友会員の男性がクマに襲われ、重傷を負う事故が発生した。被害者は市有害鳥獣対策実施隊員として活動していた佐藤健也さん(70)で、顔や頭を引っかかれるなどのけがを負った。
冬眠期の人身被害は極めて珍しい事例
岩手県によると、県内でクマによる人身被害が確認されたのは今年初めて。特にクマの冬眠期にあたる2月の人身被害は極めて珍しく、2018年度以降は確認されていないという。この時期は通常、クマが冬眠に入っているため、人身事故のリスクは低いと考えられてきた。
県警花巻署や花巻市の関係者によると、事故が起きた13日は午前から現場周辺でクマの目撃情報が相次ぎ、警戒体制が敷かれていた。佐藤さんら猟友会員は花火を鳴らすなどしてクマを追い払う作業を実施していたが、作業中に突然クマが現れ、襲撃が発生した。クマは佐藤さんを襲った後、その場から立ち去ったという。
迅速な救急搬送と現場の地理的条件
負傷した佐藤さんはドクターヘリで病院に緊急搬送され、搬送時には意識があったと伝えられている。重傷とみられる状態ではあるが、迅速な医療対応が行われた。
事故現場はJR花巻駅から南西に約10キロ離れた山あいの地域で、住宅が点在するエリア。この時期は雪に覆われている状況であり、積雪条件が追い払い作業や緊急対応に影響を与えた可能性もある。
相次ぐクマ被害と対策の課題
近年、クマが人の生活圏に出没するケースが増加しており、人身被害も相次いで報告されている。専門家は以下の点を指摘している:
- 気候変動や生息環境の変化により、クマの行動パターンが変化している可能性
- 冬眠期であっても一部の個体が活動を続ける事例が確認されている
- 有害鳥獣対策における地域格差や資源配分の課題
今回の事故は、冬眠期であっても油断できないクマの危険性を改めて浮き彫りにした。関係機関では、今後の対策強化に向けた検討が急がれている。