診療報酬改定で初診・再診料引き上げへ、物価高・賃上げ対応で患者負担増も
診療報酬改定で初診・再診料引き上げ、患者負担増へ

診療報酬改定が決定、初診・再診料の引き上げで医療機関の経営支援へ

厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は、2026年度の診療報酬改定内容を正式に決定しました。この改定は、物価の高騰や医療従事者の賃上げに対応するため、医療機関が受け取る診療報酬を引き上げることを目的としています。具体的には、外来診療における初診料と再診料に上乗せ措置が導入され、多くの患者が負担の一部を担うことになります。

物価高騰への対応と患者負担の増加

改定では、注射針などの医療器具の価格上昇に伴い、物価対応料が新設されます。外来診療では、初診時と再診時にそれぞれ20円の上乗せが行われ、入院時には病院の役割に応じて130円から840円の増額が設定されます。さらに、今後の物価上昇を見据え、2027年6月からは外来で40円、入院で260円から1680円の追加引き上げが予定されています。

患者負担については、原則として1割から3割の範囲で増加します。例えば、外来の初診時には190円の上乗せが適用され、再診料は10円引き上げられて760円となります。初診料は財源不足のため2910円に据え置かれましたが、全体として診療報酬の引き上げに伴い、幅広い医療サービスで患者の負担が増える見通しです。

賃上げ評価料の強化と医療機関の経営支援

人件費の上昇に対応するため、看護師などの賃金を引き上げた医療機関に対して支払われるベースアップ評価料も増額されます。すでに賃上げを実施している医療機関では、外来の初診時評価料が現行から170円増の230円に、再診時評価料が40円増の60円に引き上げられます。新たに賃上げを行う医療機関には、それぞれ170円と40円の評価料が設定されます。

入院に関しては、評価料が現行の最大1650円から最大2500円に増額され、2027年6月からは約2倍の上乗せが計画されています。これにより、医療機関の経営状況の悪化を緩和し、持続可能な医療提供を目指す方針です。

入院時の費用上昇と今後の影響

入院時の食費や光熱費も上昇し、患者の自己負担額が増加します。具体的には、一般所得者の場合、食費は1食あたり40円増の550円に、光熱費は1日あたり60円増の430円になります。これらの改定は、2026年6月から適用される予定で、医療機関と患者双方に大きな影響を与えることが見込まれます。

政府は2025年12月に、医師や看護師の人件費に充てられる「本体」部分を30年ぶりに3.09%引き上げることを決定しており、今回の改定はその具体的な配分をまとめたものです。中医協の決定により、医療サービスの質維持と経営安定化が図られる一方で、国民の医療費負担の増加が課題となるでしょう。