ナフサ不足で「坊っちゃん団子」パッケージ変更へ、漱石写真消える可能性も
ナフサ不足で坊っちゃん団子パッケージ変更、漱石写真消えるか

中東情勢の緊迫化に伴うナフサ(粗製ガソリン)の供給不安が、愛媛県松山市の土産物として親しまれている「坊っちゃん団子」にも影響を及ぼしている。製造販売元の「うつぼ屋」(松山市)は、団子の受け皿に使用するプラスチックトレーを紙製に変更したり、パッケージの印刷デザインを簡素化したりすることを検討している。長年にわたり親しまれてきた夏目漱石の肖像写真が、パッケージから姿を消す可能性も浮上している。

「坊っちゃん団子」の由来と現状

坊っちゃん団子は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場する団子が由来となっている。3色のあんに包まれた餅が、つまようじほどの串に刺さったロングセラー商品だ。複数の菓子業者が製造しているが、うつぼ屋の団子は道後温泉本館で入浴客への茶菓子として提供されている。

同社によると、取引先の資材メーカーから3月末、ナフサの安定確保が難しくなったことを理由に、資材価格が30~40%値上げされる見通しが伝えられたという。これに対し同社は、価格転嫁ではなく、まず企業努力によって安定供給を優先する方針を検討。既に大型連休前には、商品数を12種類から売れ筋中心の6種類に半減させている。

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トレーの紙製変更と印刷簡素化

現在、トレーをナフサ由来のプラスチックから紙製へ変更することも視野に入れている。プラスチックトレーについては年内の必要量を確保できているが、将来の調達難や価格上昇を見越して、紙製トレーの試作品を製作した。紙製はプラスチックよりも経費がかかるものの、安定的に納入できる見通しが立っているという。

また、個包装フィルムの印刷変更も検討中だ。ナフサから作られる印刷インクの使用量を減らし、価格上昇の影響を抑える狙いがある。具体的な案としては、カラー文字を白黒にして色数を減らす方法や、裏面の原材料表示以外の表記を取りやめ、白地や透明にする方法が挙がっている。

漱石写真の行方

現在のパッケージデザインは10年以上前から採用されている。他社との差別化を図るため、夏目漱石が肘をつき思索にふける様子をとらえた写真がプリントされている。文字も「緑・黄・茶」の3色団子をモチーフにした色合いとなっている。

うつぼ屋の伊狩宗雅副社長(34)は、「商品パッケージの変更はやらないに越したことはないし、漱石の写真も正直なくしたくない。しかし、先行きが不透明な以上、やれることをやっておきたい。個包装が無地になれば土産として味気ないが、お客様に届けることが重要だ」と語る。

政府の見解と中小企業の危機感

政府はナフサは足りており、流通が目詰まりしているだけだと説明している。しかし、伊狩副社長は地方の中小企業がナフサ不足に強い危機感を抱いていると強調する。「アメリカとイランの戦闘が完全に終結しても、ナフサの安定供給には時間がかかる。まず大手から回復し、地方に資材が入りにくい状況は変わらない」と嘆く。

全国的な食品包装見直しの動き

食品包装の見直しは全国で相次いでいる。カルビーは主力のポテトチップスなどの包装をカラー印刷から白黒に変更し、ローソンはコーヒー容器の蓋をプラスチックから紙製に順次転換する方針を示している。

うつぼ屋の取り組みは、こうした流れの一環とも言える。紙製トレーの試作品(左)と従来のプラスチックトレーの比較も行われており、今後の動向が注目される。

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