飯塚事件第2次再審請求、福岡高裁が即時抗告を棄却…新証言の信用性を否定
飯塚事件再審請求、福岡高裁が即時抗告を棄却

飯塚事件の第2次再審請求、福岡高裁が即時抗告を棄却

1992年に福岡県飯塚市で女児2人(いずれも当時7歳)が殺害された「飯塚事件」を巡り、殺人罪などで死刑が確定し、執行された久間三千年元死刑囚(執行時70歳)の第2次再審請求について、福岡高等裁判所(溝国禎久裁判長)は2026年2月16日、請求を退けた福岡地裁の決定を支持し、弁護側の即時抗告を棄却する決定を下しました。

新証言の信用性が最大の争点

この事件の第2次再審請求における最大の争点は、確定判決で女児2人の最後の目撃者とされた女性の新たな証言の信用性でした。当初の捜査では、女性の目撃情報をもとに連れ去り時間や場所が絞り込まれ、その頃に付近で目撃された不審車両の特徴が元死刑囚の車と同じだったことが有罪認定の根拠の一つとされていました。

弁護側は、女性が目撃したのは事件当日ではなかったと主張し、「警察に押し切られ『当日に目撃した』という記憶と異なる調書が作られた」とする女性の新証言を新証拠として提出していました。しかし、2024年6月の福岡地裁の決定は、女性の新証言について、目撃日時に関する証言が変遷している点を指摘し、「事件当時の記憶が風化しており、不確かなもの」として信用性を否定し、請求を棄却していました。

即時抗告審での弁護側と検察側の主張

即時抗告審において、弁護側は、女性の目撃日時に関する記憶が曖昧であることを認めつつも、警察に対し「『その日に見たのか、はっきりしない』と説明したが聞き入れてもらえなかった」と述べ、「説明に変遷はない。目撃したのが事件当日か否かは年月の経過で記憶が変わるものではない」と訴えました。

これに対し、検察側は「女性の証言は内容が大きく変遷し、説明に矛盾が多い。地裁決定に誤りはない」として、即時抗告の棄却を求めていました。福岡高裁はこれらの主張を検討した結果、地裁判決を支持する判断を下し、新証言の信用性を改めて否定しました。

この決定により、久間三千年元死刑囚の第2次再審請求は正式に退けられ、司法手続きが一段落することとなりました。事件から30年以上が経過する中、証言の記憶の風化や捜査過程の課題が浮き彫りになる形となり、再審請求の厳しいハードルが改めて示される結果となりました。