静岡県立こども病院(静岡市葵区)を運営する県立病院機構は8日、2021年に当時生後3カ月の乳児に薬を取り違えて投与した課長級の男性医師(49)を減給の懲戒処分にしたと発表しました。乳児は誤投与によって重大な障害を負い、その後の治療も実らず、約10カ月後に死亡しました。
事故の経緯
病院と事故調査報告書によると、医師は2021年1月、白血病で入院中の乳児に対して、腰の「髄腔」内に投与してはいけない抗がん剤を誤って髄腔内に投与しました。これにより、乳児は自発呼吸ができなくなるなどの重篤な障害を負いました。医師は本来投与すべき別の抗がん剤と誤認したとされています。
処分と今後の対応
病院によると、医師は昨年、業務上過失傷害の罪で略式起訴され、罰金を納付しました。民事でも病院と遺族の間で示談が成立したため、このタイミングでの懲戒処分となりました。監督責任として、坂本喜三郎院長と当時の内科系診療部長は文書による厳重注意処分を受けています。
坂本院長は機構の理事長としてコメントを発表し、「医療に携わる者としてあってはならない重大事案。安全・安心な医療を提供できるよう、再発防止に向け職員一丸で取り組む」と述べました。
再発防止策
病院側は、今回の事故を受けて投薬手順の見直しやダブルチェック体制の強化など、再発防止策を徹底するとしています。また、職員への教育訓練を強化し、医療安全の意識向上を図る方針です。



