それからしばらくの間、阿岐本はただスギモト電器をじっと眺めていた。日村もまた、時折振り返っては店の様子を確認する。営業車が戻ってきて、またしばらくすると出ていった。日村が見る限り、客足はほとんどない。さすがに退屈してきたが、どうすることもできない。稔もただじっとしている。うっかり眠ったりしたら、きっとどやされるだろうな……。そんなことを考えたせいか、本当に眠気が襲ってきた。やばいな……。そう思った瞬間、阿岐本の声が聞こえた。「よし、事務所に戻ろうか」。日村はほっとした。稔が駐車料金を支払い、車を走らせた。


