福島県郡山市の磐越自動車道で発生したマイクロバス事故により、北越高校の生徒ら21人が死傷した痛ましい事件の直後から、事故の瞬間を捉えたとする動画が閲覧できるとほのめかし、特定のウェブサイトへ誘導する投稿がX(旧ツイッター)上で相次いで確認された。しかし、実際にアクセスしても、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック) Lite(ライト)」の新規登録を促されるだけだった。このサイトは登録に伴う報酬を得ることが目的とみられ、専門家は「倫理観を欠いた悪質な行為」と厳しく非難している。
事故直後に広がる不審な投稿
事故が発生した6日、Xの複数のアカウントから、事故の動画が存在することをほのめかす投稿が次々と行われた。例えば、「磐越道の事故の瞬間見た。衝撃が凄まじすぎてガチで引いた……」や「動画見た。あんなエグいのを平気で拡散する今のネット、マジでありえないし修羅」などといった内容だ。一部の投稿には「ドラレコ動画」と称してXの外部へ誘導するリンクが含まれていた。これらの投稿にはいずれも「ナウレポ」という文言が書き込まれていたという。
誘導先サイトの実態
記者が実際にスマートフォンでリンク先にアクセスしたところ、動画は再生されず、代わりに「TikTok Lite」の登録画面が表示された。このアプリをインストールして新規登録すると、紹介者に対して報酬が支払われる仕組みになっているとみられる。誘導元のアカウントは、所在地や法人登記が確認できないなど、匿名性が高く、特定が困難な状況だ。
専門家の指摘
ネット上の詐欺や悪質行為に詳しい専門家は、今回の一連の投稿について「事故の悲惨さを利用した極めて悪質な行為であり、倫理観が欠如している」と指摘する。また、「こうした手口は、SNS上で拡散されやすい話題に便乗して、金銭的利益を得ようとするもので、利用者は安易にリンクをクリックしないよう注意が必要だ」と警鐘を鳴らしている。
このような行為は、被害者やその家族に対する配慮を欠くだけでなく、ネット上の情報の信頼性を損なうことにもつながる。SNSを利用する際には、情報の真偽を慎重に見極め、不審なリンクにはアクセスしないことが重要だ。



