再審法案の行方:抗告原則禁止の本則化が焦点に
刑事裁判の再審制度を見直すための刑事訴訟法改正案を、政府が今国会に提出できるかどうかが最終局面を迎えている。自民党との調整が続く中、再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)の原則禁止を、刑訴法の本体である「本則」に盛り込むかどうかが最大の焦点となっている。
法務省の最終案と自民党の反応
法務省が「最終案」と位置づける再修正案は、7日の自民党部会に提示される予定だ。与党として政府法案を了承するか否かの結論が出る見通しで、了承が得られなければ今国会への提出は断念される。
法務省が打ち出した抗告の原則禁止は、法案の付則に検察は抗告を「してはならない」と明記しつつ、再審開始決定を「取り消すべきと認めるに足りる十分な理由」がある場合は例外とする内容だ。さらに、改正法施行後5年ごとの見直し規定や、再審請求の早期棄却要件の一部削除も盛り込まれている。法務省幹部は「降りられるところまで降りた」と強調する。
しかし、政府法案に反対する議員らは「付則ではなく本則に書くべきだ」と批判。本則化が実現すれば了承も可能だとして、政治決断を迫っている。
自民党内の妥結模索
抗告禁止を訴えてきた井出庸生衆院議員は4月29日、SNSで「本則に明文化するのであれば、野党の賛同も得られる」と投稿。これに呼応し、執行部側の一人も「参院の出口まで見通せるなら本則化もあり得る」と語った。
妥結を模索する背景には、今国会での法改正実現への強い思いがある。提出断念となれば「検察は丸もうけ」との危機感も広がっている。
今後の展望
自民党内では、本則化を条件に法案了承に動く議員が増える可能性がある。一方、法務省は付則での対応にこだわる可能性もあり、調整は難航が予想される。政府が提出断念を避けられるか、今週の部会の行方が鍵を握る。



