エホバの証人信者、名古屋市立大を提訴 輸血拒否で手術拒否は差別的
エホバの証人信者、名古屋市立大を提訴 輸血拒否で手術拒否

宗教団体「エホバの証人」の信者である名古屋市の男性が、輸血を受け入れないことを理由に前立腺がんの手術を拒否されたのは差別的だとして、名古屋市立大学に対し330万円の慰謝料を求める訴訟を名古屋地裁に提起していたことが、2026年4月29日までに明らかになった。提訴日は1月23日付。同種訴訟は既に滋賀県内の信者女性が大津地裁に起こしている。

手術拒否の経緯

訴状などによると、男性は2024年8月、前立腺がんの疑いで名古屋市立大学医学部付属東部医療センターを受診。自身がエホバの証人の信者であり、輸血を受け入れられないことを担当医に伝えた。医師からはロボット支援手術の出血リスクは1~5%未満で輸血の必要はないと説明を受け、手術を予約した。しかし、その後「倫理委員会に相談した結果、病院の方針で手術できない」と断られたという。

男性はその後、別の医療機関で輸血を受けることなく無事に手術を受けた。男性側は「正当な理由なく治療を拒否したことは公立病院としての義務に違反する」と主張。代理人弁護士は「宗教上の信念に沿った治療は実施できたはずだ。患者の治療に関する自己決定権も侵害している」と訴えている。

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病院側の見解

名古屋市立大学はホームページ上で、宗教的理由による輸血拒否について「最大限に尊重し、輸血以外の治療手段の提供に努める」との方針を示している。しかし、同大病院医療安全管理部長の戸沢啓一医師は28日、本紙の取材に対し「前立腺がんの手術はロボット支援であっても、まれに大量出血が発生することがある。輸血ができないと命に関わるため、当院のルールに従い転院していただいた」と説明した。

関連訴訟の動き

滋賀県内の信者女性が大津地裁に起こした同種訴訟では、滋賀医科大学が争う姿勢を示している。同大学は「手術拒否の理由は宗教ではなく医学的判断に基づく」と主張している。

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