AIが生成した偽動画で大規模詐欺、被害総額100億円超 警視庁が注意喚起
AI偽動画で100億円超詐欺 警視庁注意喚起

人工知能(AI)技術を悪用した新たな詐欺手法が社会問題化している。警視庁は8日、著名人や企業のトップになりすました偽動画を使い、投資名目で金銭をだまし取る事件が全国で多発しているとして、注意喚起を発表した。これまでに確認された被害総額は100億円を超え、被害者数は2000人以上に上るという。

巧妙化する手口

詐欺グループは、実在する経済評論家や経営者の顔や声をAIで精巧に再現した動画をSNSなどで拡散。動画の中で「確実に儲かる投資案件」「今すぐ申し込めば特別利率」などと語りかけ、視聴者を専用の投資サイトに誘導する。サイトでは最初に少額の利益を還元し、信用させた上で高額の投資金を振り込ませる手口が確認されている。

被害者の声

都内の60代男性は「テレビで見たことのある経済評論家が勧める投資なら安心だと思った。動画は違和感がなかった」と話す。男性は約3000万円をだまし取られた。警視庁によると、被害者は50代以上の高齢者が中心だが、30代以下の若年層も含まれている。

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技術の進歩と犯罪の高度化

AIによる動画生成技術は近年急速に進歩し、専門家でなければ偽物と見抜くのが困難なレベルに達している。特に、本人の実際の映像や音声を学習させることで、口の動きや表情、声のトーンまで再現可能だ。警視庁幹部は「ディープフェイク技術の悪用は今後さらに増える恐れがある」と警戒する。

見分けるポイント

  • 不自然なまばたきや口の動き:AI生成動画では、まばたきの頻度が少なかったり、口の動きと音声がわずかにずれる場合がある。
  • 背景や照明の異常:影のつき方や照明のムラが不自然なことがある。
  • 発信元の確認:公式サイトや信頼できるニュースソースで情報を確認する。

企業と政府の対応

被害を受けやすい著名人や企業は、公式SNSやウェブサイトで「投資を勧める動画は全て偽物」と注意喚起している。また、政府はAI生成コンテンツに識別マークを付ける制度の導入を検討している。警視庁は「少しでも怪しいと感じたら、すぐに警察や消費生活センターに相談してほしい」と呼びかけている。

専門家は「AI技術の進歩は社会に多くの恩恵をもたらすが、同時に悪用のリスクも高まる。一人ひとりが情報リテラシーを高め、冷静な判断をすることが重要だ」と指摘する。今後、AIを活用した犯罪はさらに巧妙化することが予想され、社会全体での対策が急務となっている。

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