歳を重ねると、できないことが増える。しかし、舞台の上ではできることが増えていく。これは、2026年3月30日に99歳でこの世を去った“おかじい”こと岡田忠雄さんの言葉である。
「老い、ぼけ、死」を明るく描く
岡田さんは岡山県の劇団「OiBokkeShi」(オイ・ボッケ・シ)の看板俳優として活躍した。同劇団は「老い、ぼけ、死」といったテーマを明るくユーモラスに描くことで知られ、多くの観客に感動と勇気を与えてきた。岡田さんは「歩けなくなったら車いすの役、寝たきりになったら寝たきりの役、最後は棺おけに入る役ができる」と語り、老いや死を前向きに受け止める姿勢を示していた。
舞台への情熱は死の直前まで
岡田さんは脳梗塞で入院したが、それは100歳記念と銘打った新作公演の稽古が始まった直後だった。病床でも「舞台はいのち」と力強く拳を突き上げ、死の前日まで舞台への情熱を持ち続けたという。命日から3日後にはインタビューが予定されていたが、それはかなわなかった。
天国でも劇団を
関係者によると、岡田さんは「天国でも劇団をつくる」と話していたという。こちらの公演は中止となったが、取材は「延期」として、その生き様を伝え続ける意向だ。
岡田忠雄さんの生涯は、多くの人に老いや死と向き合う勇気を与えた。その言葉と行動は、これからも語り継がれるだろう。



