公害健康被害補償法に基づく水俣病の患者認定を熊本県と鹿児島県に却下された男女7人が、処分取り消しなどを求めた訴訟で、原告側は2026年5月1日、最高裁に上告した。これは、一審に続き全員を水俣病と認めず、請求を退けた先月23日の福岡高裁判決に対する不服によるものだ。
判決の内容と原告の主張
福岡高裁判決は、多くの原告についてメチル水銀の高濃度暴露を認めなかった。水俣病の潜伏期間は数カ月から数年とされるが、原告が主張する感覚障害は幼少期に発症したとは認められず、他の疾患が原因である可能性も否定できないと結論付けた。
弁護団の見解
弁護団の佐伯良祐弁護士は取材に対し、「一つも言い分が認められなかった。最高裁には、発症した人が漏れなく救済されるような認定基準を示してほしい」と述べ、最高裁での審理に期待を寄せた。
この訴訟は、水俣病の認定基準の在り方を問う重要な事例として注目されている。原告側は、高裁の判断が科学的知見や被害者の実態に即していないと主張しており、最高裁での判断が今後の水俣病認定に影響を与える可能性がある。



