メットライフ生命、36代理店で2476件の情報持ち出し 業界最多規模
メットライフ生命、36代理店で2476件情報持ち出し

メットライフ生命保険の複数の社員が、出向先の36の代理店で、計2476件の内部情報を無断で持ち出していたことが1日、明らかになった。生保業界における情報持ち出しとしては最多の規模となる。保険契約者などの個人情報も1000件以上含まれていた。同社は持ち出しが法的にも不適切だったとの認識を示しており、ディルク・オステイン社長ら幹部が報酬の一部を自主返納する見通しだ。

金融庁の命令を受けて調査

同社は近く調査結果を公表する。関係者によると、メットライフ生命は2025年12月26日に金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受け、全容解明に向けて調査を進めてきた。当局に対しては詳細を報告済みであり、不正競争防止法が禁じる「営業秘密の侵害」の趣旨に照らして不適切だったとしている。

代理店への出向が背景に

銀行などは複数の生保商品を代理店として販売しており、生保各社は営業支援などの名目で代理店に社員を出向させている。メットライフ生命も複数の銀行や保険代理店に社員を派遣していた。こうした出向制度が情報持ち出しの温床となった可能性がある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

調査の手法と結果

関係者によると、メットライフ生命は2021年4月から2025年10月にかけて代理店に出向していた社員やその上席者に対する聞き取り調査に加え、パソコンなどのデータを復元するデジタル・フォレンジック調査を実施した。その結果、代理店内の保険販売に関わる業績や推進方針、他社の商品情報などを無断で取得していたことが判明した。紙の資料を電子データ化したり、私用スマートフォンで撮影したりして、メットライフ側に送っていた。無断取得した資料の中には、保険契約者の個人情報も多数含まれており、プライバシー侵害の懸念も指摘されている。

業界への影響と今後の対応

メットライフ生命は、今回の事態を重く受け止め、再発防止策を講じるとしている。具体的には、出向者に対するコンプライアンス教育の徹底や、情報管理体制の強化などを検討している。また、社長ら幹部が報酬の一部を自主返納することで、経営責任を明確にする方針だ。金融庁は今後、メットライフ生命に対する行政処分の可能性も含めて検討を進めるとみられる。生保業界全体としても、出向制度の在り方や情報管理の徹底が改めて問われることになりそうだ。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ