中東情勢の不安定化に伴う物価高の影響が、首都圏の自治体行政にも深刻な影を落としている。公営バスの燃料費高騰や公共工事の中断、さらには指定ごみ袋の品切れまで、市民生活に直結する問題が相次いで発生。各自治体は対策に追われている。
川崎市バス、燃料費が約2倍に
川崎市交通局は、バス用軽油の調達入札で予定価格に見合う業者がなく、不調となった。調達期間を短縮してようやく落札されたが、単価は1リットル当たり約100円から199円へと約2倍に跳ね上がった。福田紀彦市長は「価格が1円上がると年間500万円の影響が出る」と懸念を示す。市バスは市内路線の約4割のシェアを持ち、燃料調達が困難になれば市民の移動手段に大打撃となる恐れがある。
消防署でもガソリン調達に支障
川崎市では消防署の地下タンクに消防車や救急車用の燃料を貯蔵しているが、8署中3署で業者から納入困難の連絡があり、ガソリンスタンドでの給油に切り替えた。東京都八王子市も公用車の使用制限を強化。市経営計画課の担当者は「節約は市が率先しなければ住民に広がらない」と意識改革を促す。
武蔵野公会堂、改修工事を中止
武蔵野市は築60年以上の武蔵野公会堂の改修工事を中止した。事業費約35億円。石油由来の建築資材が供給不足に陥り、資材高騰で工期延期も予想される。4月末で休館し、改めて改修の是非を検討する。小美濃安弘市長は「苦渋の決断」とコメントした。
指定ゴミ袋が品切れ、代用を認める自治体も
原油由来のポリエチレンを使用する有料ごみ袋の入手が困難になるケースも。茨城県龍ケ崎市は6月末まで、スーパーのレジ袋など中身が透ける袋での代用を認めた。千葉県市原市は4月29日から1カ月間、燃えるごみに限り透明・半透明袋の代用を許可。一部店舗で指定袋が品切れとなり、27日時点で「買えない」との問い合わせが60件以上。買いだめも疑われる。柏市も買い占めが起きれば不足の恐れがあると警戒する。
各自治体は中東情勢の長期化を見据え、新たな対策を迫られている。



