新年度が始まって20日余り。多くの新入社員にとって初めての給料日がやってくる。上向く初任給を喜ぶ人がいる一方、物価高など先行きに不安を抱える声も。初任給を何に使うのか。現場から本音を聞いた。
「こんなに天引き?給与明細見てみると」
物流会社の女性(23)=東京都=はスマートフォンで銀行口座の預金残高を見る頻度が増えた。目減りする預金額が怖く、自炊し弁当や水筒を会社に持参して出費を減らすよう苦心している。大学生の頃はマクドナルドを頻繁に利用した。だが値上げによって、足が遠のいた。「マックも高い。信じられない」
節約の要因の一つが家賃だ。会社から家賃補助はでるが家計に占める割合は大きい。さらに税金で引かれる金額も詳しく知らないため、実際に手取りがいくらあるのか分からず、初任給の使い道をまだ決められていない。ただ、新入社員の研修で連日、説明を受けたNISA(少額投資非課税制度)や株に関心を寄せる。「同期は始めるって言っている。私も将来に貯蓄を残せるか不安だから初任給が入ったら入れようかな」
「いざ」という時の備えに
企業向けの教育研修事業などを展開する「ジェイック」(東京)は、同社が4月上旬に提供する新入社員研修の受講者247人を対象に生活費以外の初任給の使い方を聞くウェブ調査を実施。それによると、1位は「親や家族へのプレゼント」で74.9%。「趣味」が47.8%、「貯蓄」が40.5%と続いた。
就職を機に福岡県から上京してきた営業職の男性(24)は「今まで実家で親のすねをかじりまくってきたから」と苦笑いをしつつ、使い道は「親孝行がしたい」ときっぱり。初めてもらう給料はとっておき「帰省したときに、両親をいい晩ご飯に連れて行きたい」と話した。
魔の2カ月 初任給は5月末で「耐えないと」
家電メーカーで働き始めた男性(23)は、初任給が5月末に振り込まれるため、入社から約2カ月間は無収入の状態だ。「貯金を切り崩して生活している。物価高もあって、耐えないといけない」と語る。一方で、初任給が入ったら「まずは親に食事をごちそうしたい。そして、残りは投資に回そうと思う」と将来を見据える。
調査では、初任給の使い道として「貯蓄」を挙げた人が40.5%に上り、将来への備えに関心が高いことがうかがえる。また、「美容やデートを諦めて投資する20代」も増えており、「NISA貧乏」と言われても投資を続ける若者も少なくない。



