愛知県弥富市の公共工事入札情報漏洩事件で市長が謝罪 建設部長の大規模関与判明
愛知県弥富市発注の公共工事をめぐる情報漏洩事件で、市は2026年2月13日、記者会見を開き、安藤正明市長が「ご迷惑、ご心配をおかけしていることを深くおわびします」と謝罪しました。事件では、官製談合防止法違反容疑などで逮捕された市建設部長の立石隆信容疑者(55)が、部長就任後の2023年4月以降、計979件の工事契約に関わっていたことが明らかになりました。
複数職員が事情聴取も市側は「他職員の関与なし」と説明
市によると、複数の職員が警察から事情聴取を受けていますが、市側は「他の職員の関与はない」と説明しています。県警の調査によれば、立石容疑者の逮捕容疑は、昨年5月から6月にかけて実施された3件の公共施設改修工事の入札において、建設業者側に設計金額を伝え、予定価格に近い価格で落札させたというものです。
問題の3件の工事では、予定価格に対する落札率が約97%から99%と極めて高く、いずれも市内の業者が落札していました。安藤市長は、落札率約99%の工事について「不自然だとは思わなかった。業者が積算した額が予定価格に近かったと認識していた」と述べています。
市が事件把握したのは昨年11月 立石容疑者は年休・病欠に
弥富市が事件を把握したのは、昨年11月20日でした。県警から立石容疑者について「官製談合の疑いで捜査を行う」と連絡があり、「市独自の調査は控えてほしい」と伝えられました。立石容疑者からも「警察から来てほしいと言われた」との申し出があったといいます。
これに先立ち、立石容疑者からは11月18日付で年休取得の届け出があり、11月19日から12月1日は年休、12月2日以降は病欠となっています。立石容疑者は、入札参加資格を審査する委員などとして、昨年4月から11月までの間に345件の工事契約に関わっていました。内訳は、328件が指名競争入札と随意契約、17件が一般競争入札でした。
市の入札制度と今後の対策 外部委員会設置を検討
弥富市では、200万円以上の工事を指名競争入札、1億円以上の工事を一般競争入札で実施しています。指名競争入札では、市内の業者を優先しつつ、特定の業者に偏らないように選定していたと説明しています。
事件を受けた今後の対策として、市は建設工事の予定価格を事前に公表することを検討するほか、外部の有識者を交えた委員会を立ち上げて検証する考えを明らかにしました。逮捕容疑に絡む「弥富まちなか交流館」の改修工事は、2026年6月終了予定で施工中ですが、市は計画通り工事を進める方針です。
県警は立石容疑者を送検 業者4社も書類送検に
県警は2月13日、立石容疑者を官製談合防止法違反容疑などで名古屋地検に送検しました。また、金額の漏洩や入札に関わったとされる建設会社4社の代表4人を、公契約関係競売入札妨害容疑で書類送検しました。同日夕方には、捜査員らが弥富市役所に家宅捜索に入っています。
この事件は、公共調達の透明性と公正性に対する重大な疑問を投げかけるものとなっており、今後の捜査の進展と市の再発防止策が注目されます。