南高梅の収穫最盛期、3年連続の不作見込み
全国一の梅生産量を誇る和歌山県で、主力品種「南高梅」の収穫が最盛期を迎えている。暖冬や少雨の影響で3年連続の不作が見込まれる中、関係者らは「梅の日」の6日に合わせ、豊作を願う催しを実施した。
熊野本宮大社で神事、豊作祈願
梅農家やJAわかやまなどで構成する「紀州梅の会」が定める梅の日、田辺市本宮町の熊野本宮大社では、今季の豊作を祈る「梅漬け」神事が行われた。自治体や梅干し製造会社の関係者ら約40人が参加。九鬼家隆宮司らが収穫したばかりの青梅をたるに入れ、塩とお神酒で清めた。漬けた梅は梅の会が持ち帰り梅干しに加工、10月に再び奉納される。
紀州田辺梅干協同組合の前田雅雄理事長は「3年連続の不作は未経験の異例な状況。行政の力も借り、業界全体で中長期的な安定生産を考え乗り越えなければならない」と語った。
同日には京都市の下鴨神社でも青梅奉納が行われ、東京都内の県アンテナショップ「わかやま紀州館」では来館者に梅干しなどが振る舞われた。
みなべ町の農家、質の高さに自信
県内有数の梅産地・みなべ町では、農家が収穫に汗を流す。約3.5ヘクタールで南高梅を栽培する石橋拓実さん(35)の園地では、直径約3~4センチの実を一粒ずつ丁寧に摘み取る作業が行われた。全国に出荷され、梅酒やジュースなどに加工される。
石橋さんの園地は3日に県南部に上陸した台風6号の被害を免れたが、「今年の実の出来は例年の半分ほど。収穫量は少ないが、その分実がしっかり太って質が良い」と品質に自信を見せる。
JAわかやまによると、県内では近年、暖冬や春先のひょう被害で不作が続く。今年も暖冬・少雨の影響で南高梅の着果率はみなべ、印南両町で平年の45%、田辺市などの紀南地区で58%にとどまる見込み。
小学校で梅干しおにぎり、子どもたち笑顔
みなべ町内の小中学校と子ども園では5日、給食で梅干し入りおにぎりを味わう恒例行事が行われた。町の「梅干しでおにぎり条例」に基づき、梅の日前後に実施。今年は地元農業者団体「みなべアグリ」が梅干しを提供した。
町立南部小2年の男児(7)は「少し酸っぱかったけど、おいしくて元気が出た」と笑顔を見せた。



