伝統産業の後継者不足、障害者を担い手に「伝福連携」広がる
伝統産業の後継者不足、障害者を担い手に「伝福連携」

職人の高齢化や後継者不足に悩む伝統産業の分野で、障害者に担い手になってもらう取り組みが広がりを見せている。伝統産業と障害者福祉をつなぐ「伝福連携」と呼ばれ、障害者にとっても働く場の選択肢が広がったり、収入増につながったりするメリットが期待できる。

鹿児島市の障害者就労支援施設での取り組み

5月下旬、鹿児島市の障害者就労支援施設「ワークプレイス ハイホー」では、管理者の引地一郎さん(61)や職員と一緒に、利用者らが竹細工のかごを編んだり、材料の竹ひごを作ったりしていた。

引地さんは2017年にこの施設を開設した。業者から注文を受けたザルや弁当箱、バッグといった竹細工製品のほか、干支にちなんだ動物や招き猫の張り子などを制作している。

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開設当初から利用している同市の男性(51)は、出来栄えを左右する竹ひご作りを任されている。「ものづくりが好きなので楽しい。完成した時は達成感もある」と笑顔で話した。

鹿児島県は竹林の面積が全国一で、竹製品は県の伝統的工芸品に指定されている。一方、日常使いの竹製品は価格が安く、それだけで生計を立てるのが難しいため、後継者の育成が課題となっている。

引地さんは、障害者のアート活動で知られる同市の福祉施設に勤めた経験があり、障害者が働く場として竹細工に取り組むことで若い職人を育てられないかと考え、市の竹工芸技能者育成講座に4年間通って技術を身に付けた。

利用者は知的や身体、精神障害がある20〜50歳代の8人。ザルを編む作業などから始め、うまくいかなかった時は職員と一緒にできるようになるための方法を考える。それでも難しい場合は別の工程の作業や、張り子や刺しゅうなど、利用者が得意なことや楽しくできることを見つけてもらう。

竹細工は、業者を通じて東京や沖縄など各地のセレクトショップで販売されている。今後は若い世代にも使ってもらえるようなオリジナルで高品質の商品を開発し、工賃アップにつなげたい考えだ。

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