岐阜県立大垣北高校(大垣市)の自然科学部に所属する生徒たちが、絶滅の危機に瀕するヤマトサンショウウオの保護活動に積極的に取り組んでいる。2026年5月30日には、同県海津市内の生息地において、卵から孵化させた幼生を自然環境へと放流した。
ヤマトサンショウウオの現状
ヤマトサンショウウオは、西日本を中心に広く分布する全長約10センチメートルの小型のサンショウウオである。環境省のレッドリストでは「絶滅危惧2類」に指定されており、希少生物として保護の対象となっている。特に岐阜県は、国内における本種の生息東限に位置し、学術的にも極めて貴重な地域とされている。
生徒たちの取り組み
生徒たちは2月から3月にかけて、同部の顧問である高木雅紀教諭(60歳)が発見した生息地で卵を採取した。今年は降雨量が少なく乾燥した環境に加え、3月以降も気温が高い日が続いたため、産卵が例年より1~2か月遅れ、卵の数も減少した。しかし、生徒たちは採取した卵を学校に持ち帰り、孵化させて体長3~4センチメートルまで成長させた。
この生息地では、周辺の休耕田の乾燥や山林開発の影響により、水量が低下し、危機的な状況にある。卵の減少に伴い、放流できる幼生の数も年々減少しており、2024年には3012匹だった放流数が、2025年には計2024匹にまで減少した。今年はさらに状況が悪化し、5月4日から4回に分けて放流した幼生はわずか1509匹にとどまった。
保護活動に参加する1年生の生徒(16歳)は、「地球温暖化や山林開発といった問題は、高校生の私たちが直接止めることは難しいですが、ビオトープの造成や保護活動を通じて対策を講じることは可能です。ヤマトサンショウウオが普通に見られるようになるまで、個体数が回復してほしい」と語った。
オオサンショウウオ班の功績
同校自然科学部のオオサンショウウオ班は、国産のオオサンショウウオの保護活動も行っており、2025年には「岐阜のオオサンショウウオを守る」をテーマにした研究が、中高生の優れた科学研究を表彰する「日本学生科学賞」において、最高賞である内閣総理大臣賞を受賞した。



