三重県、外国籍職員の採用見直し検討 「国籍要件復活」知事の狙いとは
三重県、外国籍職員の採用見直し検討 知事の狙い

三重県、外国籍職員の採用見直し検討 「国籍要件復活」知事の狙いとは

三重県が「情報漏洩の防止」を理由に、外国籍の人の採用取りやめに向けた動きを強めている。6月に実施される県職員の採用試験は、例年通り外国籍の人も受験できると公表されたが、その後、内定を得ても担える業務が限定される可能性があると明らかにした。9月実施の採用試験までに、外国籍の人の採用取りやめの方針を決定する可能性もある。背景には何があるのか。

外国人の社会参画推進から転換へ

外国人の社会参画を推進するため、三重県は1999年度の採用試験から49職種のうち、一般事務を中心に44職種で「国籍要件」を撤廃し、外国籍の人を採用してきた。同様に一般職採用で国籍要件をなくしたのは、茨城、神奈川、愛知、大阪、沖縄など11府県ある。しかし、一見勝之知事は2025年12月、国籍要件を復活させる方向で検討すると表明した。

知事が懸念する「国家情報法」の影響

元国土交通省官僚で、海上保安庁次長時代には海の危機管理などを担当した一見知事。複数の県関係者によると、その念頭にあるのは中国政府の動きだという。中国は2017年、国内外の組織や個人に国家の諜報活動への協力を義務づける「国家情報法」を制定しており、一見知事は他国でも同様の法律が作られる可能性を指摘。外国籍の人が採用されても、地方公務員としての守秘義務との間で苦しい立場に立たされかねないとし、早ければ2026年度の採用試験から国籍要件を復活させる意向を示した。

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人事委員会で異例の要請

外国籍職員の採用取りやめ検討が進む中、4月下旬には県人事委員会の定例会で「今までなかったこと」(事務局)が起きた。県職員採用は年に複数回実施されており、受験案内に「国籍要件については検討中」と記載するよう県側から要請があったという。この動きに対し、専門家からは「地方公務員の国籍要件撤廃や復活は、首長の意向だけで簡単に変えられるものではない」との指摘も上がっている。

今後の展望と課題

三重県の動きは、他の自治体にも影響を与える可能性がある。一方で、外国人労働者の受け入れが進む中、多様性を重視する社会の流れに逆行するとの批判も予想される。一見知事は「情報漏洩防止」を強調するが、具体的なリスクや対策についての説明は十分とは言えず、今後の議論が注目される。

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