米国とイランが即時停戦で合意、2週間の攻撃停止とホルムズ海峡の安全通航を確約
米国とイランが即時停戦で合意したことが、両国の仲介を務めるパキスタンのシャリフ首相によって発表されました。これにより、2月末の米国とイスラエルによるイラン先制攻撃を端緒とする1カ月以上にわたる争いは、大きな局面を迎えました。トランプ米大統領は攻撃の2週間停止を表明し、イラン側もホルムズ海峡の安全な通航が2週間可能になるとしました。
期限ぎりぎりでの合意、交渉開始へ
トランプ氏はイランとの戦闘終結に向けた交渉期限を米東部時間の7日夜(日本時間8日朝)と設定し、ホルムズ海峡開放などの進展がなければ大規模な攻撃をすると警告していました。期限ぎりぎりで停戦合意に至ったことで、戦闘の激化はどうにか免れました。両国は合意に基づいて攻撃を直ちにやめ、停戦を確実に実行すべきです。
米国とイランは戦闘終結に向けた交渉を10日にもパキスタンで始めるとしています。イラン側は、ウラン濃縮活動の容認や国連安保理などが科している制裁の解除、中東の基地からの米軍撤退などを求めてくるとみられます。
強気の姿勢と今後の課題
今回の停戦合意の段階では、米イラン双方が自国の勝利を宣言するなど強気の姿勢を崩していません。交渉で互いの主張をぶつけ合った末に物別れになってしまうようなことがあってはなりません。戦闘の恒久的な終結につながるよう建設的な話し合いが求められます。
心配なのはイスラエルの動きです。2週間の攻撃停止には合意したものの、親イラン民兵組織ヒズボラが拠点とするレバノンは停戦合意の対象外との声明を出しました。共にイランを攻撃してきた米国はイスラエルを説得し、レバノンも含めた地域で攻撃をやめさせる責任があります。
ホルムズ海峡の通航拡大と世界経済への影響
今後の交渉では、イランによって事実上封鎖されているエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の通航拡大も大きな焦点となります。停戦計画にはイランとオマーンが海峡を通る船舶から通航料を徴収することを認める内容が含まれているとの報道もあります。
海峡の安全な航行を確保するのはもちろん、世界経済にも資することができる通航のルールを設けることが重要です。今回の事態によって原油価格が世界中で高騰しました。特に日本は原油輸入の9割以上を中東に依存しているため、海峡封鎖の影響が大きかったのです。
日本のエネルギー政策強化の必要性
日本政府は、再び原油需要が行き詰まることのないよう両国の関係修復に協力するとともに、不測の事態が起きても対応可能な原油調達先の多角化などといった政策強化に取り組むことが必要です。中東情勢の安定化に向けた国際的な努力が求められる中、日本の役割も重要となるでしょう。



