埼玉栄高校死亡事故、無断運転は2年前から常態化 教職員の把握は皆無
埼玉栄高事故、無断運転2年前から常態化 教職員把握せず (18.02.2026)

埼玉栄高校の死亡事故、第三者委員会が詳細な調査報告書を公開

埼玉栄高校(さいたま市西区)で2024年に発生した車両横転事故で、生徒1名が死亡した問題について、学校法人佐藤栄学園は第三者委員会による調査報告書を公表しました。報告書は100ページを超える詳細な内容で、事故の背景に学校側の管理不備が複数存在していたことを明らかにしています。

無断運転は2年前から「常態化」、教職員の認識は皆無

報告書によれば、事故の約2年前から複数の生徒が、サッカー部のグラウンド整備用軽自動車を無断で運転する行為が広がっていました。この行為は遊びとして「常態化していた」と認定されています。特に注目すべきは、学校が実施したアンケートにおいて、無断乗車の実態を「知っている」と回答した教職員が一人もいなかった点です。車両を管理すべき立場にあるサッカー部の指導者らも、事故発生まで事態を把握していなかったと報告されています。

鍵管理のずさんさと組織的な把握の欠如

車両の鍵管理についても重大な問題が指摘されました。サッカー部では、事故の約2年前となる2022年11月以降、鍵が車内に置かれるようになっていたとのことです。さらに、この軽自動車は学校の備品リストに記載されておらず、「組織的な把握が欠落していた」と厳しく評価されています。こうした管理の不備が、生徒による無断使用を許す環境を作り出していた可能性が高いと分析されています。

寮の門限問題と夜間外出の実態

事故を起こした生徒らは、学校の寮から無断で夜間外出していたことも報告書で明らかになりました。寮の玄関ドアは門限後も出入りが可能な状態だったと指摘されており、安全管理上の重大な盲点となっていました。グラウンドから約1.5キロ離れた寮から生徒が抜け出し、車両を運転していた経緯が詳細に記述されています。

遺族側からの強い疑問と説明責任の問題

死亡した生徒の遺族側は、学校側の説明責任が十分に果たされていないとして「強い疑問」を表明しています。第三者委員会の報告書公開後も、管理不備がなぜ長期間見過ごされてきたのか、根本的な原因解明と再発防止策が求められる状況が続いています。学校法人側は既にずさんな管理を認めて謝罪していますが、遺族への具体的な補償や今後の対策についてはさらなる議論が必要です。

この事故は、学校施設の管理責任や生徒指導の在り方について、社会全体で考えるべき課題を投げかけています。教育現場における安全確保の重要性が改めて問われる事案として、今後の対応が注目されます。