中国春節で過去最多の移動、日本は人気旅行先から外れる
中国では、2月15日から始まる春節(旧正月)の連休を控え、旅行や帰省が本格化しています。中国政府の予測によると、春節前後には過去最多となる延べ約95億人が移動する見通しで、大規模な人の流れが注目されています。
春節連休は過去最長の9日間
今年の春節連休は9日間と「過去最長」とされ、中国国営英字紙チャイナ・デイリーも話題にしています。この長期休暇を利用して海外旅行を計画する中国人も多く、大手旅行サイト「同程旅行」の集計では、人気旅行先の1位はソウル、2位はバンコク、3位はシンガポールとなっています。
しかし、昨年は3位だった日本は、今年は上位10位にも入っていません。これは、高市首相の台湾有事を巡る国会答弁などを受け、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけている影響とみられ、旅行業関係者からは「中国政府の意向が働いている」との見方が示されています。
訪日中国人客の減少傾向
日本政府観光局の統計では、昨年の訪日中国人客は909万人(推計値)で、韓国に次ぐ2位でしたが、12月単月では前年同月比45%減の約33万人に落ち込みました。また、中国メディアの第一財経によると、春節前後の交通機関が特別輸送体制を組む「春運」期間(2月2日~3月13日)の日本路線の航空便数は前年より4割減少しています。
中国政府は1月、春節を前に「治安情勢に不安がある」として、日本への渡航自粛を改めて呼びかけました。これにより、訪日観光客は例年より減少する見込みです。
個人旅行の影響と多様な声
ただし、訪日客の8割以上を個人旅行が占めてきたため、政府が団体旅行を規制しても、訪日旅行客の絞り込みには限界があると指摘されています。上海市の大学院生、胡心一さん(24)は「幼少期からアニメや漫画で日本に親しみがあり、遊びに行ってみたい。政府の呼びかけは気にならない」と冷静な姿勢を示しています。
一方、上海市の40歳代の主婦は連休中に日本に遊びに行く計画で、「日本食を堪能したい」と声を弾ませるなど、依然として日本への関心を持つ人々も存在します。上海・浦東空港では、日本行きチェックインカウンター前に並ぶ旅行者の姿も確認されていますが、全体としては減少傾向が予想されます。
上海から四川省成都に帰省しようとしていた会社員女性(40)は「日本は元々印象が良くない。政府の呼びかけもあり、行く気にならない」と語り、政府の呼びかけが旅行意欲に影響を与えている実態が浮き彫りになっています。