パナマ運河、大混雑の背景
中東情勢の不安定化が、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河の通航量を押し上げている。世界的に燃料などのサプライチェーン(供給網)の見直しが進み、調達先を中東から他の地域に変更する動きが顕著になっているためだ。この混雑が長期化すれば、日本の物流にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。
通航量の急増
ロイター通信によれば、パナマ運河庁は当初、2026年の1日当たりの船舶通過数を平均34隻と見込んでいた。実際、1月は34隻で推移したが、2月末に米国とイスラエルがイランを攻撃したことを受け、3月には37隻に増加。さらに40隻を超える日もあり、運河はほぼフル稼働の状態が続いている。
特に増加しているのは、米国からアジアなどへ向かう原油や液化天然ガス(LNG)を積んだ船舶である。また、ドイツなど欧州の企業がカナダの太平洋側からパナマ運河を経由してLNGを調達しようとする動きも報じられており、運河の重要性は一層高まっている。
運河の仕組みと課題
パナマ運河は全長約80キロメートルで、水門を利用して水位の高低差を調節しながら船舶を通過させる仕組みである。通過には8時間以上を要するため、混雑が発生すると待機時間が長引き、物流全体の遅延につながる恐れがある。



