岡倉天心と小泉八雲の深い共鳴を紹介 茨城・五浦美術館でテーマ展
岡倉天心と小泉八雲の深い共鳴 五浦美術館でテーマ展

茨城県天心記念五浦美術館では、岡倉天心とラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の関係に焦点を当てたテーマ展を開催中です。本展は、昨年10月から今年3月まで放送されたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」でハーン夫妻が取り上げられたことを受け、両者のつながりを再検証する企画です。

展示の見どころ

常設展示室の岡倉天心記念室では、所蔵資料を中心に「ラフカディオ・ハーンと岡倉天心、由三郎-近代における日本文化の発信者たち」と題したテーマ展を開催。ハーンと天心の直接的なつながりを示す資料は現存しませんが、両者の関係を裏付ける重要な資料として、ハーンが天心から聞いた物語をもとに創作した短編「FRAGMENT(断片)」と、ハーン没後に天心がニューヨーク・タイムズに寄稿した文章が展示されています。

天心によるハーンへの賛辞

天心はニューヨーク・タイムズへの寄稿で、ハーンを「過去のどの外国人著述家よりも日本民族の魂に秘められた精神を最も見事に洞察している」と絶賛。さらに「世界がより緊密な絆で結ばれ、東西が相互理解を求めるこの時代に、このような業績がもたらす影響は計り知れない」と述べ、民族や宗教の対立が深まる現代にも響くメッセージを残しました。翌年出版された「茶の本」でも、東洋文化を深く理解した数少ない西洋人の一人としてハーンの名を挙げています。

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天心の英文草稿「小敦盛」

記念室では、天心が執筆した英文草稿「Ko-Atsumori(小敦盛)」も展示。ハーンの代表作「怪談」が日本の伝承を再話する手法を取ったのに対し、天心は源平合戦の逸話をもとに琵琶演奏で語られる物語として執筆。独自の解釈で日本の合戦悲話を西洋に紹介しようと試みました。この草稿は出版には至りませんでしたが、芸術の共感を通じて東西の理解を目指した天心の理想が反映されており、ハーンの著作と共通する性質を持つと指摘されています。

開催概要

テーマ展は8月2日まで開催。天心の生涯をたどる常設展示とあわせ、天心とハーンの深い共鳴を体感できます。茨城県天心記念五浦美術館(主任学芸員・永宮勤士)

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