ADB年次総会がウズベキスタンで開幕、地域連携の強化を強調 次回は愛知・名古屋で2026年5月に
ADB年次総会がウズベキスタンで開幕、地域連携強化を強調

アジア・太平洋地域の途上国を支援するアジア開発銀行(ADB)の年次総会の開会式が4日、ウズベキスタンの古都サマルカンドで行われた。イラン情勢の緊迫化により世界経済が打撃を受ける中、神田真人総裁は演説で「供給網の末端であるアジア地域が最も影響を受ける。深く連携した強靱なシステムをつくらねばならない」と訴え、地域連携の重要性を強調した。来年5月の次回総会は名古屋市で開催されることが正式に発表された。

総会の概要と参加者

年次総会にはアジア、米国、欧州など69の加盟国・地域から閣僚や中央銀行幹部ら約4千人が参加。日本からは片山さつき財務相、日銀の氷見野良三副総裁らが出席した。また、次回開催地である愛知県から古本伸一郎副知事、名古屋市から広沢一郎市長が現地を訪れ、誘致活動を展開した。

日本の支援策と連携枠組み

片山財務相は4日の会合で、中東情勢による燃料不足の影響を受ける途上国や中小企業を支援するため、日本とADBが連携する行動枠組みを発表した。これは先に政府が打ち出した100億ドル(約1兆6千億円)の支援策の一環であり、ADBとともに途上国のエネルギー構造の転換も促進する内容となっている。

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会期中のイベントとPR活動

会期は6日まで。気候変動などをテーマにしたセミナーが開かれるほか、最終日には愛知・名古屋による次回開催地としてのPR行事も予定されている。地元からは国際都市としてのアピールの場として期待が寄せられている。

ADBの役割と歴史

ADBは戦後に構想が持ち上がり、1966年にマニラを本部として発足。世界の金融市場から資金を調達するため、欧米各国も参加し、加盟国を広げてきた。かつて「最も貧しい地域」とされたアジアは、いまや世界の経済成長の半分以上を担う。元ADB研究所所長の河合正弘・東大名誉教授は「ADBがあったから、成功モデルの知見を共有でき、成長の循環を生み出してきた」と語る。

国際社会におけるADBの重要性

国際社会の分断が危ぶまれる昨今、ADBはアジア、欧米各国が加盟する国際機関として役割を増している。トランプ政権下で国際機関からの脱退例が相次ぐ米国も、ADBとは関係を維持。ADB側も融和を重視し、気候変動対策についても「自然災害への対応」といった実質的目標として表現するなど、配慮を見せている。また、ADBは中国に対する融資も続けており、米中が同じテーブルで話し合う貴重な機会を提供している。

日本のリーダーシップ

日本は米国と並ぶ最大のADB出資国として、現在の神田氏まで歴代総裁11人を輩出。神田氏は今年11月の任期満了後の再選に向けて立候補を表明している。片山財務相は燃料不足の問題を抱える途上国に対し、ADBと連携した枠組みで支援することを発表し、危機の中で日本の指導力を示した。

次回総会への期待

日本は10年ごとに総会を開催しており、来年5月の愛知・名古屋が6度目となる。自国での総会開催は日本の存在感を示す場であり、ADBは近年、民間企業からの投資や技術提供にシフトしていることから、産業が集積する中部企業の開発プロジェクト参画にも期待が寄せられている。地元にとっては今秋のアジア・アジアパラ大会に続き、国際都市としての魅力を発信する絶好の機会となる。

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